02 その後



 死んだと思った俺は、元の世界に戻されていた。

 勇者召喚を行ったのは、俺が冒険したその世界の住人達だが、人材をあっせんしたのは女神と呼ばれる存在だ。

 そのため、俺の境遇を不憫に思ったその女神が、俺を元の世界に返してくれたらしい。


 けれど、失った物は戻らない。

 仲間に裏切られた俺は、人間に不信感を抱きながら生活するはめになった。


 それから、長い年月がたった。

 俺は、孤独な生活の末に、寿命を全うして死んだ。


 けれど、俺の魂に安息は訪れなかったらしい。


 あの世界は再び勇者召喚を行ったようだ。

 それで、久々にあった女神が俺に尋ねてきた。


 召喚に応じますか。


 俺は首を縦にふった。


 そしたら、女神の計らいで、転生に近い状態で、再召喚される事になった。

 俺は、俺を裏切った世界に復讐をするために、戻る。


 やり残した事を消化するのだ。


 そして、今度こそ未練を断って、晴れ晴れとした気持ちでこの生を終えるのだ。


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