03
そういうわけだから、転生後の人生では。
私は様々な男性から声をかけられている。
「今日の夕飯一緒にどうですか?」
「夜、部屋にいっていいか? 二人っきりで、話しようぜ」
「ふむ、女性という生き物か。実に興味深い。ぜひ研究室で隅から隅まで観察させてくれ」
一人なんか、おかしいのが混じっているが、ともかく。
私は男性達にかまいたおされた。
最初は良い気になっていたが、はっきりいってウザい。
人類存亡の危機なんだから、必死になるのは分かるけど、そんなにぐいぐい来られたら芽生える恋心も、遠慮して引っ込んでしまうだろう。
女神がつけた溺愛加護ブーストも加わってか、そりゃ物凄い勢いで恋のアタックをしかけてくる。
下着がなくなる、物がなくなる、薬を盛られる。
なんて事が日常茶飯事になった。
一か月経つ頃には、私は逃亡を考えていた。
姿かたちを変えて、どこかの辺境で男として生きていこう。
と決意するくらいだ。
だって、私の反応がよくないのをみるや、子孫を作るために無理矢理に事をいたそうという連中が出てきているのだ。
冗談じゃない。
このままだと、子供をつくるためだけの道具にされかねない。
しかし、彼らがそんなにも追い詰められてしまったのは、私にも原因がある。
女神からもらった溺愛の加護が効きすぎているらしく、理性を失ってしまう事があるのだ。
だから、私が離れれば冷静になるはず。
そういうわけで、私は一見楽園にも見えたその地を脱出する事にした。
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