02



 新しい肉体を手に入れた私は、ある程度まで育っていたようだ。

 赤ちゃんの体で放り出されるよりは、マシだったが、途方に暮れる暮れる。暮れまくる。


 今までの世界と何が違うのか、詳しく聞いてなかったので、めちゃくちゃ焦った。焦りまくった。


 けれど、幸いだったのは、その世界の男性達は、みな女性に優しかったところだろう。

 まあ、当然だ。


 何せ、その世界には、女性がまったく存在しなかったのだから。


 女性しかかからないはやり病、女性しか狙わない魔物、とかの影響で、女性という生き物が絶滅してしまったらしい。


 そういうわけで、その世界の男性は子孫が残せなくて困っていたとか。


 最期の女性が死んだのは約一年前。


 仕方なしに、クローンで人類を存続させるか、なんて意見が出ていた所に、私登場。


 丁重に扱われるわけだった。


 ちなみに文明レベルは、私がいた世界よりも多少進んでいる。


 クローン実験が進んでいて、動物の繁殖が結構行わているところだった。


 動物の世も結構厳しい。

 女性がいないのは、人間だけではなかったようだ。


 そんなわけなのか、本能的にメス(女)を求める様になったからなのか、牧場なんかにいくと、やばいくらい獣達に群がられた。


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