第16話 1階層
「よし、準備完了。レオ違和感はないか?」
「ガォッ!」
ダンジョンに入るため殆どのptを使って俺はタカイさんからアイテムを買っていた。それはレオを召喚するための指輪だ。俺とレオを魔力のパスで繋ぐ事で離れていても魔力を消費して呼び寄せることやある程度の状態を確認することができる。離れれば離れる程魔力の消費量は多くなるが今回行くダンジョンはそう遠くないため十分召喚可能な場所だ。
「ダンジョン免許証をお見せ下さい」
俺はスマホの画面を開き電子免許証を見せ、帰還予定時刻を伝える。
「ありがとうございます。では、帰還予定時刻より6時間を過ぎますと捜索隊が派遣されます。こちらのダンジョンは難易度が低いため最終層まで捜索致しますが、十分お気をつけて探索するようお願いします」
ダンジョンの難易度が低ければ銃などで十分攻略可能で自衛隊などが最終層まで攻略しているため、全てのエリアが捜索されるが、難易度が高い場合1階層しか探索されておらず難易度が正確に分からないため上層部のみの捜索となるそうだ。
今回、俺はダンジョンの形態を知るために敢えてこの辺で最も難易度の低い場所に来ている。ダンジョンはA〜Eのランクに分けられているが、現在正確なのはD.Eランクのみとのことだ。
ダンジョンにはいると石畳の部屋があった。俺の押し入れのダンジョンと見間違う程同じ造りをしている。しかし、一ヶ所だけ違う点がある。部屋の奥には階段があり光の扉で入る俺のダンジョンとは違うようだ。
階段を降り少し歩くと、高さ5m幅5m程の巨大な迷路のようになっていた。モンスターは1階層の今のところスライムだけだ。ダンジョンは上から1階層、下に行くにつれて2階層、3階層と呼ばれている。
人が入っているせいかスライムもそれ程多くは見かけない。偶に開いている宝箱があるがしばらく時間が経つとダンジョンに飲み込まれていった。
ふと疑問に思ったのだが人がダンジョンの中で死んだ場合はどうなるのだろう。モンスターや宝箱のようにダンジョンに飲み込まれていくのだろうか。それとも飲み込まれないのか、はたまた装備だけ残るのだろうか。
そんなことを考えながら壁に手をつき壁伝いに歩いていると石が大きな音を立てて凹んだ。
「なんだ!?」
そこには人が通れるほどの広さの通路が出来ていた。通路を進むと階段があったので取り敢えず降りてみることにした。
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