第15話 講習会

「欠席者はいないようなので、これから講習会を始めます。まずは簡単な説明を致します。その後、適正試験をさせて頂きます。適正試験はダンジョンの入場資格とは関係なく、ご本人様の判断基準として頂くためのものですので気軽に受験して下さって結構です」


 今日は朝からダンジョンの講習会に来ている。講習会の受講者はだいたい50人程度だ。これが1日3回、平日は毎日、各市役所で開催されていると考えればダンジョンが及ぼした影響の大きさが伺える。

 講習会では大まかなダンジョンのルールを教えてくれた。ダンジョン内では全てにおいて自己責任。入場の際は入場記録を残すことが義務付けられている。これは、遭難者がいた場合捜索隊を派遣するためだそうだ。また、ダンジョン毎にランクが設定されているそうだが入場制限はないためこれも自己責任だそうだ。なにせ、まだダンジョンについて何も分かっておらずそのランク自体も1階層のモンスターの強さからの予測に過ぎないためらしい。一通りの説明がされ、一冊の本が渡された。あとの細かい内容については各自で目を通すようにとのことだ。

 説明が終わると近くの試験会場へ13時に集合と言われ一度昼休憩のため解散となった。


「ではこれより適正試験を始めます」


 1つ目の試験は筋力テストだ。

 多様な状況が想定されるため、押し引きの筋力、握力、体幹、脚力などあらゆる筋力が測定された。力を入れすぎないよう加減をしたせいで他の人達より疲れたかもしれない。

 続いて持久走。5kmを走破できるかが重要らしい敏捷性を主に上げていたせいかかなり楽に走ることができたが目立つのをさけるため筋力テスト同様手を抜いて適当なところでゴールした。

 結果としては偏差値53らしく、特に問題はないらしいがあまり無理はしないようにとだけ言われた。

 これで無事に講習会が終わり明日からダンジョンに入ることができる。

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