第14話 ハンターズギルド

 ダンジョンが現れて2週間が経とうとしていた。政府の下ハンターズギルドが創設され、発表ではダンジョンは階層に分かれており下の階層に行く程強いモンスターがでてくるようで、ダンジョンごとに罠の種類や難易度もかなり違うらしい。またダンジョンからは多くのアイテムが発見されていて、難易度の低いダンジョンの一般公開された。

 

「お兄ちゃん、楓もダンジョンいく」

「ぜっったいにダメだ!まず楓はダンジョンには入れないだろ」


 ダンジョンは18歳未満は入ることができないよう法律で定められている。さらに20歳未満の場合は18歳以上であっても保護者の承認が必要である。


「母さん、俺はダンジョンに行っていいだろ?低級のダンジョンならほぼ怪我をすることもないらしいし。それにダンジョン産のアイテムは高く売れるってTVでもやってるよ」


「そうねぇ、危険なところには行かないことを約束できるならいいわよ」


「えぇ〜、お兄ちゃんばっかりずるい〜!」


「楓は受験勉強も始めなくちゃいけないだろ?その分ダンジョン産のアイテムお土産に持って帰ってくるから我慢してくれ」


 楓はそれで納得したのか母さんと今日の晩飯の話を始めた。


「じゃあ俺はハンターズギルドに登録してくるよ」


 ハンターズギルドは現在、市役所の1フロアに仮設して運営している。


「次の方どうぞ。」

「登録をお願いしたいんですが、用紙の記入はこれで大丈夫ですか?」

「確認しますので少々お待ちください」


 無事確認できたようでハンターズギルドの講習会日程とダンジョンの免許証を受け取った。免許証は運転免許証と同じ素材で見た目も同じようなものだ。電子化をすることもできるため携帯さえあればダンジョンには入れるようだ。俺が講習会を受けるのは明日の朝なので今から部屋に戻りダンジョンに入って時間を潰そう。

 今は13lvまで上がっていて常に5sptは安全確保のために残してある。


【名前】  橋本 優輝  

【年齢】  18

【職業】  起源人

【LV】   13


【HP】 560/560

【MP】 441/441


【筋力】  80

【耐久力】 43

【魔力】  40

【対魔力】 34

【敏捷性】 75


【SPT】 5

【PT】  2472

【スキル】 炎魔法 雷魔法 氷魔法 剣術 鑑定眼

【EXスキル】 源神化


 ブリューナクを所持しているおかげで雷、氷魔法を使用できるようになっている。

 ステータスについて考えているとポケットから着信の振動が伝わってきた。


「久しぶりだな優輝!」

「久しぶり、急にどうしたんだ?」


 着信の相手は達也だった。俺に電話をかけてくるやつはそう多くないので大体は予想していたが。


「ニュース見ただろ?ハンターズギルド登録したか?」

「ああ、今日行ってきて明日講習会に行く予定」

「くっそー!お前もか、裏切り者め!」


 そういえば達也はまだ誕生日が来ていないからハンターズギルドに登録できないのか。


「てことは、奏もしたのか?」


 勉強熱心な奏がダンジョンに行くのか?


「ああ、つい先日、指定校推薦で大学決まったからダンジョンに行くらしい。なんだよ、どいつもこいつも!」


「あいつの親御さん許してくれたのか?あの奏の親御さんだぞ?」


 奏は大企業の社長の息子で両親が奏に溺愛しているため危険なダンジョンを許可するとは思えない。


「あいつの父親の会社がダンジョン攻略に乗り出すらしい。奏も厳重な護衛をされてのダンジョンだろうな」


 その後も達也は電話を切るまで愚痴を言い続け気をつけろよとだけ言われ不満そうに電話を切られた。なんだかんだで心配してくれるいいやつだ。

 明日は講習会か。あれだけ買っとくか。タカイさんからptを殆ど消費してアイテムを購入しダンジョンを後にした。

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