第11話 新しいスキル
「ファイアー!」
俺は今ダンジョンに来ている。
身体中痛いのになんでかって?
レオの召喚の後ある問題に気づいた。
そう、レオのご飯代だ。
ライオンって肉食べるよね。俺も食べてないのに。圧倒的金欠力。家計を支えるお金を減らすわけにはいかないため体に鞭打ってダンジョンにきたのだ。
不労所得のために召喚したのに。召喚したために労働しているのでは本末転倒だ。
とはいえ、レオもスライムに噛み付いてptを撃破してくれているため不労所得もそう遠くない。
レオも問題なく戦えていて、ゴブリンなら問題にならさそうだったため、森に入っていく。森の中を進むが5体程度のゴブリンでも簡単に倒すことができた。
「結構深くまで来たな。レオ、少し休憩にしようか」
湧水の近くの岩に腰を下ろす。
レオは大きくて欠伸をしこちらを見ている。水が飲みたいのかと思い許可すると、舌で水を器用に飲んでいる。かわいい。召喚して正解だな。
「グルルー」
「どうした、レオ?」
レオが急に毛を逆立てて唸り出した。何かを警戒しているようにみえる。
近くの葉が揺れる音がした。
「逃げるぞ!!」
大きな黒い巨体が見えた瞬間に俺はレオを抱え走り出した。
体長は5m程だろうか。真っ黒の熊と目があった。
「あんな熊見たことねー!」
この時のために上げた俊敏が役に立った。しかし、徐々に距離が詰まって来ている。
「あれはアウラベアという魔獣でございます。恐らく湧水を飲みに来たのでしょう。」
タカイさんが悠長に説明をしてくれる。
追いつかれるまで時間はそうなさそうだ。戦うしかないのか?
「レオ少しだけ注意をひいてくれ」
レオは短く吠え返事をしてくれる。やる気まんまんで頼もしい限りだ。
「ファイアー!」
牽制攻撃をし火を警戒させようとするが、気にせずこちらを睨みつけ近づいてくる。
レオが注意を引くため一度吠え、アウルべアに向かって勢いよく走り出す。
「少しだけ耐えてくれよレオ…源神化」
レオはアウルべアの周りを走り翻弄させる。レオの体を掠めそうになりながらアウルべアの鋭い爪は地面を抉る。レオも徐々にばててきており攻撃が当たるのは時間の問題だ。
「きた」
身体中が創り変わったかのような錯覚に陥ると同時に感じた事のないほどの力が溢れる。アウルべアに近づくため地面を蹴る。それだけでかなりのスピードが出る。
アウルべアに近づきながらファイアーを放つがいつもの拳の大きさではない。直径50cm程の大きな球が勢いよくアウルべアに直撃する。
〈レベルが上がりました〉
アウルべアは跡形も残らなかった。
俺は源神化を解き、驚愕し、自身の圧倒的すぎる力に恐怖さえした。
しかし、レオの喜ぶ声に引き戻され和まされた。やはりレオが来てくれてよかった。
源神化は5LVになった時に10spt消費し獲得したスキルだ。10sptでこの能力は破格だが一つ欠点がある。ステータスを飛躍的に上昇させる代わりに使用時にsptを消費し、消費する量で上昇量が変化するという事だ。そのため、常にsptをストックしておかなければならない。
今回は余っていた3spt全てを消費したがこの分なら1sptでも余程なことがなければ充分だろう。
そして、もう一つ3sptでスキルを獲得した。
鑑定眼だ。相手の能力や物について曖昧だが知ることができる。相手について知識がなく、強さを測る物差しが必要であったため取得した。常時発動ではないようで落ち着いていない時はあまり役には立たなかったが。
「疲れたし、家に帰ろうか」
あ、肉買いに行かないと。ptを換金し肉を買いに行き、レオに食べさせる。
こうして長い1日が終わった。
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