第6話 魔法

「ファイアー!!」


 拳くらいの火の玉がスライムにあたり、小さく弾けた。これ60kmくらいでてるのかな?

 遠くなればなるほど火の玉はしぼんでいくが5mくらいなら問題ない。他のモンスターならわからないがスライムなら避けられることはなさそうだ。

  ファイアーだけでスライムを倒していると5匹倒したところでファイアーが使えなくなった。怠くなるなどの症状はないがステータスを確認するとMPが残り1になっている。

 MPは時間がかかるが一定の割合を自然に回復するそうだ。


「MPが回復するのが遅いなら魔法だけには頼れないな」

「流石、高橋様!魔力が上がれば可能かもしれませんが最初は魔法以外の戦闘方法を獲得するのをお勧めしております」


 休憩を挟みつつナイフでスライムを倒していると1時間ほどでMPが1回復していた。


「ファイアー!」


 仕方ないじゃん。魔法楽しいんだから。

 MPが0になってしまうがナイフで狩を続ける。


「高橋様、お時間です」

「ありがとう、タカイさん。戻ろうか」


 光の門をくぐり石畳の待機室に戻る。

 

「本日は初めてのダンジョンお疲れ様でした。獲得ptはミッションを合計して53ptでございます。所有ポイントもステータスの方に反映されるようにしておきますね。」


「ありがとう。にしても、結構狩れたな。ptはまだ使わないから今日はもう帰るよ」


「かしこまりました。ごゆっくりおやすみ下さい」


「うん、また明日よろしく」


 門を開け部屋に戻る。

 53ptってことは、6千円いかないくらいか。明日で楓の修学旅行のお小遣い分貯まるな。楓、よろこんでくれるかな。


「あれ、優輝バイトに行ったんじゃなかった?」


あ、やべ。完全に忘れてた。靴はダンジョン出た時に脱いで部屋に戻ってるけど…

言い訳思いつかねえ


「さ、さっき帰ってきたんだ」


「あら、気づかなかったわ。おかえりなさい。もうすぐご飯できるからね」


「ただいま。わかった、すぐ行く」


 何とかバレなかったけど明日から気をつけないとな。

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