第4話 ミッション達成

〈ミッション初めての狩を達成しました〉


 突如頭の中に聞こえた。


「はい!」


 どこから聞こえたかはわからないが咄嗟に返事をしてしまった。タカイさんは笑いを堪えており、ちょー恥ずかしかった。

 その後不思議と違和感がないこの音声は神様が送ってくれたサポートの一つだと教えてくれた。


「おめでとうございます。では、一度待機室に戻りましょう」

「もう1時間もいたのか、戻るか」


 ダンジョンの景色に見惚れて気づかなかったが想像より時間がたっていたようだ。

 

「では、ダンジョンについて詳しい説明をさせて頂きます。」


 タカイさんはそう言うと前回は話していなかったシステムを教えてくれた。ルールは纏めるとこんな感じだった。


1.モンスターを倒すとptを入手できる。

(入手できるptはモンスターにより変動する。)

2.モンスターを倒すと経験値を入手できる。

3.経験値によりレベルが上昇しステータスを上昇させることが可能。

4.ptは様々な商品の購入、換金が可能。


 大体こんなところだそうだ。


「それとミッションを達成されたのでptが付与されており、スライム討伐と合わせまして11ptございます。」

「11ptだとなにができるの?」

「低級HPポーションの購入か換金が可能です。」


 低級HPポーションはすり傷や軽い打撲を治す程度らしいが、スライム10匹と考えるとかなりお得なのか?

 換金なら1pt1$換算らしいから大体100円ちょっとと考えると今ので時給1100円って、バイトよりいいじゃん。

 てか初めてのミッション達成が10ptって神様羽振り悪くね?

 まだ13時だしもう一回ダンジョンいくか。


「ただいまー」

「おかえり、母さん!」


 母さんが帰ってきたので慌てて外に出ようとする。


「この扉は橋本様以外には見えないのでご心配なさらず、またお越しください。」

「母さんも橋本なんだけど」


 そんな冗談を言いながらダンジョンを後にした。ナイフなどは待機室に置いていて問題ないらしい。


「母さん、楓友達と遊びに行ったよ」

「優輝も遊びに行きたいだろうに、苦労かけてごめんね」

「俺も小遣いとして5千円とってるし、たまには遊びにいくから大丈夫」


とは言ったものの楓や母さんの誕生日、クリスマスなどイベントのプレゼントやケーキ、楓の大好物の肉を買うために貯めているため遊びにいくのは3人グループの達也と飲食店のバイト終わりに公園で話したりするだけだ。

 俺は達也と長谷川はせがわ かなたの3人グループで学校では一緒にいて、俺の事情を分かった上で仲良くしてくれているいいやつらだ。


「月曜日から楓の卒業旅行だけどお小遣いってどれくらい必要なものなの?」


「俺の時は大体1万円くらいだったかなー。俺が用意するから母さんは心配しないでいいよ、最近割のいい楽なバイト始めたし!」


「本当にありがとう優輝。でも無理だけはしないでね」


「いいって、おれもそろそろバイトだから行って来るね」


「気をつけていくのよ、いってらっしゃい」


「いってきます!」


 そう言うと、ありもしないバイトにでかけるのであった。

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