第3話 初めての狩り
目を覚ます。スマホをつけ時間を見ると10時。
寝過ぎた。夜緊張して寝れなかったからなー。結局寝れたの4時だし。
「おはよー」
「おはよう、お兄ちゃん。お母さん買い物に行ったよ。私も11時くらいから友達と遊びに行って来るね」
「小遣い足りてるか?」
「大丈夫だよー、心配しすぎ!」
俺は月曜から金曜の授業後4時から7時までバイトをしているため、家に5万円いれ、自分に5千円、妹に5千円のお小遣いとしている。
楓は周りが3千円だから減らしていいと言うが楓には苦労させたくないため5千円渡している。
「あ、やば。遅刻するっ。じゃあ、行って来るね。いってきまーす!」
「いってらっしゃい。気をつけていくんだぞ」
「うん!」
そう言うと楓は振り返って手を振ってから駆け足で出て行った。
「いただきますっと」
楓を見送るとうどんを湯掻いて食べる。うん。安定に安くてうまい。1袋30円だ。俺の土日の昼飯はほぼこのうどんと決まっている。
心の準備を決め部屋に戻る。扉を開けると昨夜と変わらぬ様子のタカイさんが立っていた。
「おはようございます、橋本様」
「おはよう」
あることが、ふと頭をよぎる。
「タカイさんってずっとここにいるの?」
「いえいえ、そんなことはありません。橋本様が扉を開けられますと、私は自動的に召喚される仕組みでございます。」
よく分からないがこれも神様パワーだろう。
「じゃ、今度こそ行こうか!」
「ようこそ、ダンジョンへ。」
タカイさんがお辞儀をすると石畳の部屋の壁に光の扉のようなものが現れた。
この扉をくぐればダンジョンに繋がっているらしい。タカイさんから昨日のナイフを受け取り恐る恐る1歩を踏み出す。
「すっげぇぇぇえ!!!」
「お気に召したようでしたら何よりです」
ダンジョンの中は石畳とはすっかり風景が変わり、どこまでも続く平原にどこからともなく流れる川、そして遠くの方では山々が連なっていた。
辺りを見回しているとゲームの世界でよく見る青色のあれがそこにはいた。そう、スライムだ。
「本当にプルプルしてるんだなぁ」
こちらに気づいているかは分からないが今のところ襲って来る様子もなく、その場でプルプルと震えていた。
「はい、スライムは震えることで餌である野草を消化しているのです。さっそく橋本様にはスライムを倒して頂きます。」
「え、やだ。可愛いし可愛そうじゃん」
「スライムを倒せばポイントを入手でき換金が可能となるのですが…」
「タカイさん、何してるの?早くスライム狩るよ」
すまないスライム。お前は確かに可愛いが金には変えられない。
「おりゃっ」
力を込めナイフで刺すとゼリー状の膜が崩れ落ちあっという間にスライムを倒すことができた。
タカイさん曰く、スライムの中心にある核に少しでも傷をつければそれで倒せるらしい。
〈ミッション初めての狩達成しました〉
突如、頭の中に音声が流れた。
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