第2話 ダンジョン前夜
「それで、タカイさんは何を売ってくれるんですか?」
「いい質問ですね。私はダンジョンで生き抜くために必要な物でしたら何でも取り扱っております。それと、私は橋本様の執事のようなものですので楽にお話頂いて結構ですよ。」
「分かった、そう言うことならそうさせてもらう。売ってくれるのはいいが、俺お金ないよ?しかも、タカイって名前、、、」
「ご安心下さい。名前はタカイですが、私はミステリー商店の中ではかなり安く商品を取り扱っておりますので。」
「いや、本当に金ないから。生活するので精一杯なんだよ。」
俺はどのくらい貧乏なのか状況を説明するとタカイさんは少し困った顔をしたが、問題ないそうだ。
タカイさんが言うにはダンジョンのモンスターを倒せばポイントが手に入り、1ポイント100円で換金することができるそうだ。
「でも、俺バイトしないといけないし怪我とか出来ないんだけど。俺がいなくなったら家族が困るだろうし…」
「ご心配には及びません!ダンジョンに入ってすぐはRPGゲームでお馴染みスライムしか出現しませんから!」
タカイさんによるとスライムは本当に弱く、こちらに危害を加えて来ることすらなく、こちらが攻撃しても逃げるだけのようだ。その上、小学校高学年程度の身体能力でも倒すことができるそうだ。
「では、こちらを差し上げます。」
「ありがとう」
タカイさんはそう言うと刃渡り15cm程のナイフをくれた。スライムを倒すにはこのナイフで十分とのことだ。
「では、早速ダンジョンに参りましょう」
「いや、今日はバイトで疲れてるし風呂も入ったから」
タカイさんは少し残念そうにしていたが明日は土曜で学校もバイトもない。だから万全の状態でダンジョンに入ることに決めタカイさんに伝えた。
「そうでしたね。私としたことが申し訳ありません。では、本日はごゆるりとお休み下さい。では、失礼します」
「うん、おやすみ」
ナイフをタカイさんに渡しまた明日受け取ることにし、別れを告げ扉を出るとタカイさんはお辞儀をしており、扉に触れていないにも関わらずひとりでに扉は閉まった。
これもダンジョンの力なのだろう。
俺は少しの不安と高揚感を抱え、眠りについた。
いよいよ明日ダンジョンに入る。
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