いつでも

一緒に

「一緒に」

私はこの言葉、嫌い。

一緒にいて何がいいのかわからない。

一緒にいたって裏切られるだけ。

一緒にいたいのは、私といることで利害が一致するからであって、特になんの意味もないくせに。

なのにどうして貴女たちはいつも私の隣にいて

私に向かって優しく語りかけるの――――？

「あのね、ひなたったらお馬鹿さんなんだよ！」

「馬鹿、あんた海にそんな話しないでよ！」

空ちゃんとひなたちゃんはいつも私に話かける。

私の薄い反応にも、文句は言わない。

私が黙って聞いてるだけでも、私の思っていることがわかるようだった。

同じ部活だってだけで、クラスが一緒になってから、やたら話し掛けてくる。

そして私にとってとどめの一言。

「海って、瞳に表情がでるんだね。」

もう少し、「一緒」にいても、いいのかな？

この人たちなら「一緒」にいても嫌な思いしないのかな。

私は二人を見つめた。