明日は、きっと晴れ
何もかもが上手くいかなくて、自分の中に苛立ちを覚えていた時に、さらに苛立ちを煽る出来事があった。
イライラ、イライラと、特に誰かに腹をたてているわけではなかったが、自分の気持ちが落ち着かなかった。
思えばこの一年、失ったものが多かった気がしてならなかった。
よくここまで自分は生きてきたかと逆に感心できてしまいそうなほどに、出会いと別れが多く、その度に自分の心の中を掻き回された気がする。
そこで「なんで自分だけ?こんなに不幸なんだろう?」って思っている。
けれど同じようなことなんて、誰にだって日常茶飯事である。
そんな時、母の言葉を思い出した。
「腹は立てるんじゃなくて、横にしなさい。」
腹は立てるから苛立ちが収まらない。
だったら横にして流してしまえばいい。と。
母のその言葉は、ずっと忘れることはない。
それは心がければ心がけるほど、難しいものだった。
苛立ちを覚えた時は本を沢山呼んだ。
疲れた時は、こっそりため息をはいた。
ため息をはくと幸せが逃げるって、よくきく。
ため息は人前ではくから幸せが逃げてしまう。
なぜなら人のため息をみたら周りの人も疲れたようになってしまうからだ。
ため息はこっそりはいて余分な力を抜けばいい。
そしたらきっと、苛立ちも疲れも無くなって、心だって落ち着いてくる。
「空ちゃん、最近落ち着いたね。」
色んな人から言われるようになった。
私は思う。
沢山の出会いや別れは、人を成長させる。
どんなに想っても伝わらない気持ち。
どんなに叫んだっておさまらない苛立ち。
人間だから仕方ない。
そう割り切ってしまえば、意外と楽だった。
ほんの少しの時間でいい。
嫌なことを全て忘れて、心の中に太陽を思い浮かべれば、明日はきっと快晴になる!って思える。
「あーした天気になーあれ!」
私は空に向かっておもいっきり靴を放った。
靴は、底が地面についていた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます