今日は、曇天だった
今日は曇り空だ。
空は真っ白。
自分の心も真っ白。
天気と心って、何だか似ている。
気まぐれで、自分勝手で。
それでも、天気ほうが私より何倍もマシなんだろうけど。
どんなに荒れた天気でも、空は自然現象だから大体許される。
でも、そしたらおかしい。
感情だって自然と起こるものなのに。
それでも、私の感情は許されない。
周りの人に迷惑するから。
本当は、叫んでしまいたかった。
本当は助けてほしかった。
私を助けてくれたあの子は、私を拒んだ。
何も無くなった。
夢も未来も。時が止まったように。
作り笑顔が上手になる一方で、
最後に心の底から笑うことをしたのは、一体どれくらい前なのだろうか。
あの子がいなくなって、私は再びひとりぼっち。
何もかもが嘘に見えた。
「空」
誰かが私を呼んだ。
貴方は誰?
聞いたことのある声色な気がする。
「空はひとりぼっちじゃないよ。」
信じて、と言った貴方は、姿が見えない。
あたりは白いもやもやとしたものに包まれていた。
霧とは違う。
まるで、雲のような・・・・。
「前に進まなくちゃ。」
私に言った。
「自分を大切にして」
そう言われても、私にはその方法が解らなかった。
大きな亀裂が、私の中にできていたから。
貴方が言った言葉は、それをえぐっていくようで苦しくなった。
人の気持ちは、そう簡単に伝わらない。
あの子はそんな私の気持ちを知らない。
人を愛するほど信じたい気持ちは強くなる。
けれどその反対に、人を愛するほど、その人の無神経さに苛立ちを覚えていく。
そしていつしか、人を信じることを忘れてしまうのだ。
今日は、曇天だった。
本当の気持ちを隠すように、私の気持ちも雲に覆われている。
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