エピローグ
――――こうして、彼の一生は終わってしまいました。
悲しいことですが、それは決まっていたことでしたので、仕方がありません。
死を覆すことはできないのです。
ですが、その死に方は選んでもいいのではないかと、ワタシは思います。
もちろん、全員が全員こういう終わりになるわけではありません。
望むことは人それぞれですから。
たまたま彼の答えが、こうだっただけです。
――アナタは何を望むのでしょうか。
さて、これでワタシの10年に一度の仕事は終わりました。
と言っても、ワタシに時間の概念はないようなものです。
またすぐ次の仕事が始まります。
少しは休ませてほしいものです。
見守るのも楽ではないのでね。
と言ってどうなるものでもありませんが。
仕事は仕事です。
次はどんな方なのでしょうか。
彼のような答えを出すのか。
彼とは違った答えを出すのか――。
おっと。
この人ですか。
皮肉なものですね。
彼にもちゃんと言ったはずなのですが。
結局、こうなってしまうのですね。
しかし。
決まってしまったことです。
これはワタシにはどうしようもできません。
ワタシは見守ることしかできませんので。
せめて苦しまないよう願うだけです。
まぁ苦しまない人なんてほとんどいらっしゃらないですけどね。
閑話休題。
では。
――――仕事に行くとしましょうか。
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