第10話 親友の想い
「悠羽、お願いがあるの」
裕香が私に言ってきた。
「何?」
「悠羽、隼人君と仲良いじゃん」
「あー、うん。そこそこ」
「そこそこって感じじゃない位、仲良いから。どう見たって友達だから。悠羽と隼人君」
「そう? それで隼人が何? 好きなの?」
「好きなのか、ファンなのか……微妙かな?」
「そうか……」
「そこでなんだけど、隼人君と出掛ける口実作って欲しいの」
「出掛ける口実? えっ? 自分で言った方が良い気もするけど……」
「本人を目の前にすると無理!」
「えっ? それで出掛ける勇気が凄いね? まあ、隼人が楽しませるかな? 取り合えず隼人には伝えるね。やっぱり出掛けたりしたいもんね」
そして、その日の夜、隼人に伝える。
「裕香ちゃんが?」
「うん。お願い」
「それは構わないけど……悠羽はデートしなくて良い?」
「えっ? 私は大丈夫だから」
「そう?じゃあ、いつかまたデートしような!」
私の頭をポンポンとした。
ドキッ
私の胸が高鳴る。
「さらっと言わないの。あっ! 後」
「何?」
「裕香、本人を目の前にすると緊張しちゃうみたいだから、うまく話せなかったりするかもしれないけど、出来れば隼人がリードしてもらうと良いかな?」
微笑む隼人。
「りょーかい!」
ドキン
隼人の笑顔に胸が高鳴る。
本当
私の胸もおかしくなりそうだ
誰にでも対等な隼人
嫌な顔1つもしないで
快く引き受けてくれるのだから ―――
そして隼人は、直接裕香に伝えたらしく、出掛ける約束をしたとの事を裕香と隼人から聞いた。
そんな中、私に出掛ける場所を隼人は相談してきた。
「私に相談されても……出掛けたいって事だから何処でも良いと思うよ」
「そうか?」
「だって私よりもドラマの撮影とかで色々な場所に行ってる隼人だよ。隼人が詳しいんじゃない? ただ隼人が出来る限り目立たないようにして裕香を楽しませれば良いんだって。勿論、隼人も楽しんでもらわなきゃだけど」
「多分……無理!」
「えっ!?」
「だって俺、人気あるから♪」
「自分で言うかな?」
「それに、やっぱり迷惑掛けれない訳じゃん? 悠羽となら良いけど」
「えっ? どうして?」
「だって悠羽は、俺の将来の恋人だから♪」
ドキッ
「噂になっても特に問題ないから俺的に」
そう言うとオデコにキスされた。
ドキッ
「取り合えず、悠羽の友達を楽しませられるように、加賀 隼人、努力しまーす♪」
そして、隼人は自分なりに裕香を楽しませる事にした。
その結果、普通に楽しめたらしく裕香は嬉しそうに話をしてくれた。
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