第7話 二人きりの夜

ある日の事 ―――


私達四人は、加賀家でテーブルを囲み食事をしてる時の事だった。




「悠羽ちゃん、隼人、私達、近々、2泊3日の旅行に行って来るから留守番宜しくね♪」


と、真理絵さんが、言ってきた。



「はい、分かりました」

「隼人、仕事は?」

「しばらく大丈夫。出演依頼とか撮影ないからゆっくり出来るし」

「じゃあ大丈夫ね」


「ああ、安心してラブラブ旅行に行って来いよ! 俺は悠羽とラブラブ留守番するから」

「隼人……そのラブラブ留守番って……おかしいと思うけど……」


「良いじゃん! 誰にも邪魔されず、二人きりなんだから」

「いや……隼人……邪魔される、邪魔されない関係なく私達はそういう関係じゃないから。しかも部屋別々だし」




私達は、色々話をしながら食事をする。



そして、数日後、二人は旅行に出掛けた。



「旅行かぁ~……良いなぁ~」

「俺もいつか連れて行ってやるよ」

「ありがとう! じゃあ期待せずに待ってるね」

「そこはありがとうだけで良いし!」


「そう? でも……あんたと旅行なんて行ったら……絶対報道されちゃうね。密会デートとか交際とか、ありとあらゆる事を書かれ真実あり嘘ありの記事になるの目に見えてる」


「色々な事が記事になるかもしれないけど真実は自分達が知ってれば良いじゃん! 俺、嘘の記事書かれたら正直に話すけど?」


「隼人」


「だってさ好きな人には誤解されたら嫌だし絶対に信じて欲しいし! お互い誤解したままって納得いかないし」


「まあ……そうだよね? でも、その前に付き合う事ないと思うよ私達」


「そんなの分かんねーじゃん!」

「お互いに恋心があったらなくはないけど……」



私達は部屋に行き、私達の夜は更けていくのだった。





ある日の事。



「隼人君、悠羽とは学校で別れただけで会ってないよな?」

「はい。ていうか俺、撮影の仕事があって早退したんです。悠羽、まだ帰ってないんですか?」

「ああ」

「バイトは?」

「今日は休みだからって言ってたんだけど携帯に掛けても連絡が繋がらなくて」


「………………」


「もしかするとバイト入ったのかもしれませんね。俺、友達に連絡してみます」

「ああ、申し訳ない。お願い出来るかな?」

「はい。俺も心配なんで」




そして ―――



「稔紀さん、悠羽、急遽バイトが入ったらしくて連絡する暇がなかったみたいです。俺、迎えに行って来ます」


「すまない。迷惑かけて」

「いいえ、大丈夫ですよ。気にしないで下さい」




そして隼人が迎えに来るとは思わず普通に帰っていると ―――




「悠羽」

「うわっ! ビックリした! 隼人ぉっ!」

「バイトだったんだって? お疲れさん」

「あ、うん。つーか……寿命縮まったし!」

「悪い、悪い」


「お兄ちゃん心配してたでしょう?」

「まあな。勿論、俺も心配したけど」

「えっ?」

「だって俺、撮影で早退したし」


「そうか! そうだったね? いや、連絡しようとしたけど、連絡する暇がなかったのと充電切れ」

「そうだったんだ。充電機持ち歩いたら?」

「あーそれは考えてなかった」

「俺は持ち歩いてる。家用と仕事用」

「隼人は撮影となると、ほぼ一日中だから」

「まあな」



私達は、色々話をしながら帰るのだった。

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