第5話 新しいバイト先

「悠羽、バイト見つかりそうか?」

「……まだ……ごめん……お兄ちゃん……やっぱり体預けておくべきだったかな?」

「悠羽っ! そんな簡単に言うなっ!」


「……だって……」


「色々な理由つけて汚いやり方でしか出来ない奴はろくな人間にしかならないと思うけど? お金に左右される人間にだけにはなるな悠羽」


「そういう事」


「隼人君」

「隼人」


「お兄さんも悠羽には、そういう大人になってほしくないって! 悠羽は、そのままで良いの! バイト先は探せばあるから! あっ! 姉貴がご飯にしようって」



私達は移動する。



「悠羽、後悔しない人生を送って貰いたいって!みんな家族は、そう思っているんだから無理しないで焦んな!」


「……うん……」



ポンポンと私の頭をする。




ドキン



私達は食事をする事にした。




ある日の事。



「裕香、何かバイトないかな?」

「まだ見付からない感じ?」


「うん……一応、気になるのはいくつかあるんだけど、やっぱり前の事があって引っ掛かって……1回とはいえトラウマになって……」


「いや、初めてのバイト先だったし、そんな事があったらなると思うよ」

「……分かってくれる?」

「同じ女の子なんだから分かるよ。ゆっくり探したら? まあ、頑張る勇気も必要だけど分からない事もあるからね」

「うん……」





一方


「なあ、由希」

「何だい? 隼人君」

「悠羽ちゃんに、バイト紹介してやってくんね?」


「バイト?」

「前回、訳あって、すぐ辞めちゃってさー」

「そうなんだ」

「見付けてはいるんだろうけど、多分、心理的や精神的にも、トラウマ化してる気がするんだよなぁ~」


「別に良いぜ? ちょうど募集してる知り合いの所あるし」

「マジ?」

「ああ」

「ちなみに聞くけど、そこ大丈夫だよな? 女好きとか、エロ親父とかいねーよな?」


「いくら親友の頼みとはいえ変な所は紹介しねーぞ! もしかして、前回、そういうバイト先だったの?」


「そう!相手したらバイト料倍になるって、有り得なくね?」


「タチ悪いな。それって常に相手の気分次第で継続しなきゃならない感じじゃん! 辞めて正解だったと思う。取り合えず、彼女の都合つきそうなら今日にでも連れて行ってみる」


「サンキュー! 頼む!」

「了解!」




その日の放課後。




「悠羽ちゃん、急で申し訳ないんだけど、今日、付き合って欲しい所あるんだけど何か予定ある?」

「えっ?あ、由希君。特にないよ。食材の買い出し位かな?」

「じゃあ、少しの時間なら大丈夫そう?」

「うん、大丈夫」



私は由希君に付き合う事にした。


「今、バイト探してるって? 隼人から聞いたんだけど。アイツが紹介してやってって言ってたからさ」


「そうなんだ」


「前、タチの悪いバイト先だったんでしょう? 隼人も心配してたし話を聞く所によると、そこ辞めて正解だったと思う。相手の気分次第では継続する羽目になるの目に見えてる」


「だよね……」

「俺が紹介する所は、アクセとか小物扱ってる店なんだけど店長、女性だから安心して良いと思う」


「ありがとう! 助かります!」



そして、目的地に到着。



「あら? 由希君、いらっしゃい。隣の女性は由希君の彼女かな?」

「いや違うし! 彼女は、予約つきだから」

「えっ!? 私、予約つきなの? 誰の?」

「さあ、誰でしょう?」



何となく分かる気がする。


多分……彼(アイツ)だ!




「やだ、予約つきってどういう事? お嬢様か何か?」


「う~ん……ある意味セレブよりかも?」

「まあ、そうなの? 確かに可愛いから予約しておかなきゃ奪われそうよね」

「そういう事。まあ、アイツなら取り戻すだろうけど」

「まあ、略奪愛?」




≪やりかねないかも……アイツなら≫




「そんな事より、彼女をバイトに雇って欲しいんだけど? どうかな? 」

「良いわよ。大歓迎!」

「マジ!?」

「ええ。つい最近辞めた子がいて困ってたの」


「じゃあ、お願いして良い?」

「良いわよ。じゃあ、早速、今度の土曜日から来てもらおうかしら? 都合はどう?」

「は、はいっ! 宜しくお願いします!」



私達は店を後に帰る事にした。







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