『小さなお話し』 その206……完熟とまと

やましん(テンパー)

『完熟とまと』


 ねこママが用意した新兵器とは、なんと、『完熟とまと』だったのです。


 『ママ、いくらなんでも、食べ物を粗末に扱ったら、バチが当たりますよ。』


 と、やましんさんが、言いました。


 『にゃ、完熟とまと、を、甘くみちゃだめにゃん。特殊な技術で、200分の1に圧縮された、完熟とまと弾が、相手のお口を自動追尾し、当たる瞬間に急激に解凍し、膨張するにゃん。こいつが、カラス族や、ごき族のお口にはまると、瞬間接着するにゃんこ。はい、完熟とまと銃。ひとつのホルダーに、300発装填されるにゃんこ。予備の弾倉。』


 『そりゃ、動物虐待だろ。』


 『やましんさんは、優しすぎにゃ。自分がカラスや宇宙ごきに、いま、虐待されてるにゃ。』


 『あま、そうですが。』


 『大将以外の殺害が目的ではないにゃ。口を封じられたカラスやごきは、戦意喪失にゃ。目指すはただ、鷹綺羅のみ。今回は、はとさぶろの仇討ちと、やましんさんの仇討ちと解放が目的にゃんこ。』


 『そりゃ、ども。でも、食べられなくなったら、生きて行けない。』


 『宇宙ごきは、すぐ、剥がし剤を用意するにゃ。たぶん。でも、ほったらかしかも、しれないにゃ。まあやつらの、性格もわかるにゃ。』


 『実験ですか。おそろしやあ〰️‼️。園長さんはいいの?』


 『ごき大将が、たっぷり、報酬を用意したにゃん。』


 『なあんか、罪悪感。』


 『だから、やましんさんは、優しすぎにゃん。やられたら、10倍返しにゃんこ。ほら、時間が来る。脱走するにゃ。にゃん仲間により、すべての電源がオフにされるにゃ。電子ロックもはずれるにゃ。いざ、出陣にゃ!にゃんの目にまかせるにゃんこ。』


 ついに、仇討ち、いや、復讐の時が、やってきたのであります。

 

 ああ、やましんの、運命や、いかに。



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