04 私の押し、華麗に形勢逆転、できなかった



 ウォルド様と私を縛り上げた敵は、なんと重い罪を背負った脱獄犯を追ってくる、エリート兵士なのです!

 このままだと、再び牢屋にレッツゴーしてしまう。


 それは非常にいただけない。

 私の桃色の逃避行が、ジエンドでデンジャー!

 なので、いただきまーすっ。敵の腕にがぶりっ!


「この女っ!」


 あらやだ、くそまずい。

 って、女の子がくそとか言っちゃあいけません。


「ふががががっ」


 ぶんぶん振り回すでない。

 怪我くらいは追わせてやるーっ!


 私は押しの荷物になるだけの、やっすい女ではないのだ!


「いててててっ! こいつほんとに女かっ!?」


 ふかぶかと噛みついて歯形を作っていたら、隙ができたのでさっそうと逃亡。

 失礼な、花も恥じらう乙女になんという暴言を!


「おいっ、馬鹿な真似はすんな!」


 けれど、そのかみつき攻撃でウォルド様を心配させてしまった。


 大丈夫っすよ。

 こんな時のために、逃げ足だけは早いんで!


 そういうわけで、お荷物がなくなったウォルド様は、敵を倒してすたこらさっさ。


 と、いうわけにはいきませんでした。


「永遠の夢にとらわれるがいい」


 高度の幻影魔法?みたいなのをくらった私達は眠りについてしまったのだった。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る