03 私の押し、私のせいでピンチになる



 そういうわけで雑談していたら、ウォルド様をつけていた何者かが急にばっと出現!

 だだだっと走って、「覚悟!」なんて、剣を振り回すではありませんか。


 でもそれにウォルド様は華麗に応戦!

「あんたは下がってろ!」だなんて気配りまで!

 いよっ! 人気投票ナンバーワン!


 なんて浮かれてたら、「はぐうっ」後ろから誰かに体当たり。痛いっ!

 何すんじゃい!

 嫁入り前の乙女の体に!


 いつかこの体はウォルド様のものになるんだって言うのに。


 なんて思ってたらウォルド様から「いや、別にいらねーから」とのお言葉。

 あらやだ、以心伝心。


 そんな風にぷんすこしながら、やられた背中をさすって呻いてたら、背後から剣つきつけられてました。

 はいはい! ウォルド様、敵はなんと二人いたようでっす!


「ちっ、人質をとるとはなかなか卑怯な真似するじゃねーか」


 ウォルド様は私のせいで武器を捨ててしまった!


 ううむ、すまぬ押し。

 私の一生の不覚のせいで。


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