02 私の押し、敵につけられる



 異世界転移で錯乱した私には、この世界に来た当初牢屋に連行された過去がある。

 異世界に行ってから、わずか数時間で罪人の仲間入りである。

 はっちゃけすぎて、露店のおっちゃんに絡んだのがいけなかった。


 異世界転移初で、ちょっとテンション上がってたんよ。


 そんなだから、その後のマイライフ・ストーリーには、バイオレンスの気配しかしない。

 しかしその時、幸運な事に私は、ウォルド様と出会う事ができた。


 だから、このチャンスを、逃してなるものかという事で、一緒にレッツ脱獄。


 旅のお供に加わったのだ。

 その旅の途中、ウォルド様は後ろを振り返った。


「つけられてんな」

「はいっ、つけてます!」

「あんたじゃねぇよ」


 おや、私以外にウォルド様にメロメロな人が、他にも?

 旅の合間に布教して仲間にした同士ではなさそうだし。


「あんたのその独特の人間センサーどうなってんだ?」

「どうと言われましても、愛の力としか良いようがありませんねっ!」

「聞いた俺がバカだった」


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