07 信頼の言葉
私は、珍しく弱った姿を見せるウォルド様に向かって言う。
こじゃれたことは、何一つ言えないけれど、本心なら言葉が尽きない。
「私はウォルド様を信じてます。きっと、自分の目標を達成できるって、心の底からそう思っています。だって私が好きになった人ですから。できないはずないです」
その思いは伝わっただろうか。
「あんたは本当に、ガキみたいなやつだな」
ウォルド様は、力の抜けた笑みをみせて、笑いかけた。
おっふ、その笑顔でご飯三杯いけそう。
「まじめな顔してりゃ、もうちょっといい線いってたのにな」
えっ。何がっ?
もしかした私ルートへのウォルド様フラグが立ちかけてた!?
そんな、まーさかっ。
ともかく、ウォルド様の様子は戻ったようだ。
呆れたような様子で、目を閉じた。
おっと、押しの寝姿。
はいけんタイム提供ですか!?
提供ウォルド様の、深夜番組放送ですかっ!(ただし健全)
今いい雰囲気だったし、このまま眺めてても良さげ?
なんて思ってたら、片目をあけて、おでこに指を「あてっ!」デコピンされた。
「人の寝顔見る以外にやる事ねぇのか? 安心して寝られねぇな」
おっと、お邪魔でした!
残念だけど、ウォルド様の完全回復を思えば、仕方ない!
「おかゆ作って待ってまーすぅ!」
「こがしてせんべいにするなよ」
そんなこんなで数時間後。
起きたウォルド様はすっかり顔色が良くなっていました。
「はー、よく寝たよく寝た」
「へへっ、ウォルド様、家来がやってきましたよっ。さあ、朝ご飯をどーぞっ」
「今日は焦がしてなかったみたいだな」
いつも気高く、強くて立派なウォルド様。
でもそんな人でも、体調が悪い時は弱る事があるんですなぁ。
ウォルド様が弱った日 仲仁へび(旧:離久) @howaito3032
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