第53話 人間
<作者から>
今回は残酷描写が特に強めになっております。
最大限配慮いたしましたが、閲覧に際しじゅうぶんにご留意ください。
※
「なんだろう……?」
あそこにはアクタの住む
何か、
彼は
*
アクタの住む小屋へ着くと、中から何かの音が
それは人間の
やはり、何かある――
似嵐鏡月は気配を殺して近づき、小屋の
「……!」
アクタだった。
そして
そう、アクタは
その残酷な光景に、彼は気の触れそうな
そう思った、が。
「
声のほうへ
「姉さん、どういうことだ……!?」
「あんたのためやん。あの
「きっ、
実の姉だろうが関係ない。
いますぐこの女を殺してやる――
しかし次の瞬間、
「そ、それは……」
びっくりして彼の血の気が引いた。
「そう、似嵐家の
「な……」
「それができたなら、お前を
「そ、そんなこと……」
「わかっとる思うけど、それほどの
「う……」
*
似嵐鏡月が小屋へ足を
うつろな目は
「さあ、鏡月。ひとおもいにカチ割るんや」
「あ……あ……」
こんなことが許されるんだろうか?
こんなこと、人間にできることじゃない……
人間じゃない、人間じゃ……
「ほれ、はよしいなあ」
人間だと?
こんなことをするものが?
そんな存在が人間であるならば、人間なんていらない……
人間の存在は、間違っている……
人間は、
「……う」
「ああ、なんやて? 鏡げ――」
「うわああああああああああっ――!」
正気を失った似嵐鏡月は、お庭番たちを皆殺しにし、黒彼岸とアクタを
(『第54話
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