第3章 そして虫たちは這い出す
第37話 再会
ウツロは山を
アパートが
しかもただでさえ、
肉体の
だが、アクタと師・
俺を待ってくれている――
時間にして三十分ほど。
しかし、行くしかない――
ためらいはすぐ、わき上がる期待感にかき消された。
頂上へ向かって
それが逆に、不安よりもむしろ
再び鳥居が見える。
あそこを
はやる気持ちを
*
「アクタ、お
鳥居をくぐると、桜の森に囲まれた広い空間に出た。
風もなく、
かすかな
「あれは……」
太い
どうやらここは
そのとき、
「――!」
「アクタっ!」
アクタ、確かにアクタだ――
彼は
それとも、まさか――
ウツロは大地を
「アクタ、大丈夫か!? いったい何が――」
ウツロは反射的に足を止め、
桜の木からまがまがしい
「
ぬうっと、大木の左側から、
「お師匠様っ!」
似嵐鏡月――
確かに彼だ。
ウツロの
似嵐鏡月はゆっくりとアクタの横まで
「お師匠様っ、
ウツロは顔を上げて
だが似嵐鏡月は、何も言わない。
黙ったままウツロを見つめているだけだ。
「アクタが、アクタが動かなくて……」
時が止まったようにそのままだ。
ウツロにはそれが何を意味しているのか、
「お師匠様……?」
様子がおかしい。
その表情はまるで、感情が排除されたようだ。
「ウツロ」
やっと似嵐鏡月は、能面のような顔つきで、口を無理やりこじ
「この、
(『第38話
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