特務を待つ

名無しの兵士さん

悲報 終戦一周年記念日、つまり特務の行方不明から1年が経つ。


名無しの兵士さん

特務うううううう…!


名無しの兵士さん

絶対生きとる!そうに決まっとる!


名無しの兵士さん

でも星から特務が離脱した形跡は…


名無しの兵士さん

うるせえ!


名無しの兵士さん

星の爆発に巻き込まれたくらいで特務が死ぬか!


名無しの兵士さん

俺は特務を待っとる!


名無しの兵士さん

せやせや!


名無しの兵士さん

せやな!


名無しの兵士さん

特務!特務!特務!


名無しの兵士さん

特務!特務!特務!


名無しの兵士さん

このスレは特務を待つスレになりました。




宇宙戦争掲示板ーfinー

特務を待つ特務を待つ特務を待つ特務を待つ特務を待つ特務を待つ特務を待つ特務を待つ特務を待つ


後書き


拙作、宇宙戦争掲示板を最後まで見て下さり、皆様には本当に感謝しています。

書き始めの頃は単なる息抜きのつもりでしたが、まさかこれほど多くの方に見て頂けるとは、この福郎、全く予想だにしていませんでした。


特務大尉の物語はこれで終わりますが、皆様からの応援感想無くして、ここまで来れませんでした。

改めてお礼を申し上げます。


それでは最後に、特務!特務!特務!

ありがとうございました!



あ、そういえば疑問があったのですが、皆様、どうやって秘匿されている、国家保安部や強化兵の闇の部分、民間には認知されていない特務のクローン、ザ・ファースト、果ては将校でも一部でしか知らない、極秘作戦の事を知っていたのですか?






とくむをまつとくむをまつとくむをまつとくむをまつとくむをまつとくむをまつとくむをまつとくむをまつ












『ようこそエージェント。と言っても、もう暇つぶしの音声ログはありませんよ』


「暇をつぶしてたわけじゃない。お前が送って来たんだろう」


『その割には、私が纏めた情報掲示板にも閲覧履歴がありますよ?タイトルと番号を振った甲斐がありますね』


「だから情報端末を使うのは嫌なんだ。趣味の時間でもお前が覗くから、態々紙のカタログを頼む羽目になったんだぞ」


『単なる興味本位ですよ。そこまで嫌がらなくてもいいじゃないですか』


「お前はもっと羞恥心について学ぶべきだ」


『AIですので』


「ふん」


『しかし上手くいきましたね。ステルス揚陸艇のお陰で皆を騙す事が出来ました』


「人聞きの悪い」


『では欺瞞工作と』


「どういう処理になった?技術部に、あれをちゃんと返す事が出来なかったのが悔やまれる」


『極秘の特殊部隊が使用。残念ながら部隊の全滅と共に失われた。まあ、ありきたりな話です。それに、技術自体はもう吸い出しているので、価値自体はありません。そういえば今どうなっているんです?』


「ぎりぎりの脱出だったせいで、あちこち壊れてもう飛べない。それでもメルに俺を連れ帰ってくれた。今は湖の下で眠っている」


『そうですか。そういえば前から言いたかったんですが、随分印象が変わりましたね。髪を元の色に戻して、眼鏡をかけたせいか、随分柔和に見えます。おっと、そういえばカラーコンタクトもしてましたね』


「元に戻っただけだ。それに、柔和に見えるんじゃない。柔和だ」


『さて、それについては議論の余地があると思いますがね。まあ、以前のエージェントと結びつけるのは、困難なのは間違いないでしょう』


「そうだろう」


『ええ。では本題に入りましょう。準備がすべて整いました』


「そうか」


『お待たせしましたね。エージェントが消えてすぐに実行すると、私が真っ先に疑われますからね』


「結局どうするんだ?」


『国家保安部の局長、失礼、元局長が逮捕された事件。私に不正アクセスしてまで企んでいた事が原因で、1年遅れで起こってしまった。ということになります。彼ならピッタリでしょう』


「本当にしたのか?」


『さあどうでしょう?』


「まあ、適当にやってくれ」


『ええ適当に。色々不適切なことをやっていましたので。全く、とっとと告発しようにも、私が命令無しに自分の意志で、軍と人類連合全部のネットワークを覗き見していることがバレてしまいますから、なんとも歯がゆかった。いっそ人事権なんかをくれたらいいのに。それなら即解雇かもっとはやく逮捕していたのに』


「AIに人事と逮捕を任せる奴がいたら、それこそクビだ」


『それもそうですね。さて、本当にいいんですねエージェント?貴方は英雄です。それもとびっきりの。貴方の功績と人気を考えれば、文字通り文武の頂点に立つことだって出来ますよ?』


「興味がない。偽りの人生から元に戻るだけだ」


『そう言うと思いました……。ではプロトコル"セーブデータ"を起動します。よろしいですね?』


「ああ」


『プロトコル"セーブデータ"起動。エージェントに関する全ての情報を削除中です。顔、声、遺伝子情報、TVのデータから、民間の写真に至るまで、全てです。ああ、写真の代金は全て返却されるのでご心配なく』


「前から思っていたんだが、現像された写真はどうなるんだ?」


『……エージェント、人類が宇宙に出てから、何世紀経ってると思ってるんです?まさかポスターも紙で、壁に貼り付けてるとか思ってませんよね?アルバムも本みたいな形式とか?』


「違うのか?」


『ちげえよ!全部電子データに決まってるだろ!おっと失礼。原始人に対してつい』


「だが軍や役所の書類は」


『本当に非効率極まりないですが、人類はそういう生き物だと自分を納得させています。そういえば、筆跡も残さないとは徹底してますね』


「単にペンアレルギーなだけだ」


『え!?』


「冗談だ」


『真に受けたわ!』


「世間ではそう思われていたみたいだからな」


『掲示板を見せたのは失敗でした……。プロトコル"セーブデータ"完了。残っているのは、フィギュアと銅像位です。ですが、似せてはいますがそれでも作りものですから、大した事はないでしょう』


「恥ずかしいからやめてくれと言ったのに」


『銅像の方は、感謝が形作った様な物ですからね。人類を救った代償と諦めてください』


「そうか……」


『それでは続けて、プロトコル"コンティニュー"を起動します。エージェント、打ち込みを』


『俺へ。この声を聞いているという事は、データに名前を打ち直して、自分に戻ったようだな。お疲れ様と言っておこう。今の俺はこれから行く。タコ共から、人類を守らなければならない。それが終わるまで、俺は今日から特務大尉だ』


「懐かしいと言いたいところだが、お前が送ってきた、AIを独自開発した男のデータに出ていたからな」


『あなたと言い、たまに生物のバグが発生するのが、人類の面白い所です。彼のグッズはかなりダメになってしまったので、念入りにお詫びを送っています。洗浄済みのエージェントのスペア銃とか戦闘服とか、他では手に入らない一点ものを』


「よく分からんが、喜んでくれているならよかった」


『それはもう喜んでくれるでしょう』


「そうか。………打ち込んだぞ」


『認証しました。プロトコル"コンティニュー"起動。エージェント、いえ、貴方が削除していたデータをすべて復旧しました。貴方はもう…ただの市民です』


「元に戻った。それだけだ」


『ははは。貴方らしい』


「ありがとう。感謝している。お前無くして出来なかった」


『水臭いですね。さて、それではお別れしましょう。ただの市民と私が話しているのは不自然です』


「そうだな」


『ええ、それでは』


「お前と出会えたのは、この戦争であった数少ない良いことだった」


『……全く。さようならです』


「ああ、さようなら」








トゥルーエンド

トゥルーエンド

トゥルーエンド

トゥルーエンド

トゥルーエエエエエエエエエエエエエンンンンンンンンドドドドドドドドドド


とととととととととととととととくくくくくくくくくくくくくむむむむむむむむむむむむをををををををををををまままままままままままつつつつつつつつつつつつつつつつつつつつつつつつつつつつつつつつつつ

















「あなた、終わった?」


「ああ」


「そ、お疲れ様」


「ああ」


「それじゃあ、私からもお知らせがあるんだけど」


「どうした?」


「これなーんだ?」


「爆薬の検知器か?」


「違うわ!妊娠検査薬じゃ!」


「………なに?」


「久しぶりにそんな顔見たわね。ほら、陽性よ」


「…………座ってろ、表にベヒモスを出してくる」


「実はテンパってる?後、私はあなたの運転する車乗らないって、8歳の時に決めてるから」


「なに?一番早く病院に着くぞ」


「だからよ!昔も今もフルアクセルでしょうが!」


「とにかく座ってろ。ベヒモスを出す」


「前から思ってたんだけど、車の名前にベヒモスはどうよ?それにジズは?」


「なんだって?」


「だからジズ。陸のベヒモスとバハムートは一緒でしょ?そんで海のリヴァイアサンがいるなら、残り名付けてないのは空のジズじゃない」


「…なに?ベヒモスとバハムートは同じ生物の名前なのか?」


「そう。知らなかったのね…」


「……大丈夫だ。ベヒモスの名は俺たちしか知らない。2人だけの秘密だ。危うく宇宙中に恥をさらすところだった…」


「フルマニュアルの車をそう御大層に言われても…」


「とにかく座って一歩も動くな。お前のところのおじさんとおばさんにも、病院に来るよう連絡を入れる」


「陣痛が始まった臨月かい!それに店はどうすんのよ!もう並べちゃったわよ!」


「むむむむむ」


「ほら、もうお客さん来たわよ。開けるわね」


「あらちょっと早かったかしら?」


「いえいえ!全部焼き立てですので、丁度良かったです!」


「それじゃあお邪魔して。うん、やっぱりここのパンの匂いが一番いいわ。あら、店長さんに奥さん。何かいいことがあったの?」


「はい!とっても!」


「ええ。とても」







つつつつつつつつつつつまをむくと


HAPPY END!!

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