第2話 ぶ厚い豚肉のステーキ

あー困った困った。


もう3ヶ月も女性に来るべきものが来ない。

だから7月はじめからずーっと…

PMS(月経前症候群)みたいな気分のモヤモヤ、イライラ、落ち込み、不眠があってそれを投稿作品やブログ記事でも出さずにいた。


年齢的には早いと思うけれど、もう閉経なのかなあ。


結婚もせず子も生まなかったけれどそれを全然後悔していないし、

一緒に暮らしたいと思える異性にも出会わなかったし、


何より20年前、母親がガンで亡くなる1ヶ月前急に真剣な顔つきで、


「自分にはもう時間が無いみたいだからこの際はっきり言うけど、お母さんは結婚したことも子供を生んだことも、実は後悔している。本当は仕事で自立して好きに生きたかった」


とのたまわったので、

え?私を生んだ事を後悔してるってか?

と一瞬混乱した。

が、次の言葉が私の生き方を決めさせた。


「これからの時代はもっともっと酷い事ばかり起きるような気がする。今死ねる自分は幸せなのかもしれないし、今からを生きるお前は可哀想だと思う。

本当に自由に生きたかったら、独身でいた方がいいよ。世間が何と言おうとね」


と言った母親は、これで人生という苦役の舞台から退場できるという解放で、


にんまりと笑っていたのだ…


その後の世情を鑑みるに、元気な内から妙に勘が強い人だったけれどやはり母親の言ってたことは当たっていたのだ。思う今日この頃である。


(どう生きて何を得て何処に幸せを感じるかは人それぞれだと思うけれど)


確かに自分のような病弱で人付き合いのストレスで蕁麻疹さえ起こすような人間には、人の世話は無理かもしれない。


と思ってここまで来た。最低限の人間関係は維持しているので先の心配はあまり無い。


だけど年齢とともに体の不調には抗えない。そこで困った私はよく行く百貨店の地下の漢方薬局に相談してみた。


幸い店長と思われる女性薬剤師さんが話を聞いて下さった。


「更年期の症状全部出てます」


と目の下に隈作ってめっちゃだるい声で訴えると薬剤師さんは大豆イソフラボン、ローヤルゼリー、漢方シロップ。の三つの商品を提示してくれた。

中でもお湯に溶かして飲むタイプの漢方シロップが美味しかったので「これ、買います!」と即決して店を出た。


ついでに大京都市でレアチーズケーキとアップルパイを買い、街の無印○良品でフランネルのパジャマを買って家に帰った。

今月欲しかったものの仕入れは終わり。

切り詰めなきゃな。


夕食の前に件の漢方シロップをお湯に溶かして飲んだ。黒糖味で美味しかった。


翌朝(つまり今朝)、ぬわんと来るべきものが来た。

漢方恐るべしである。


嬉しかったけど眠い、だるい、腹がしくしく痛い。毎月何十年味わってきたこの苦しみが解るか?男よ。


あー、今日の夕食、焼くだけメニューにしよう。ん?カツ用豚厚切りヒレ肉444円が二枚で二割引き。


体がビタミンB豊富な豚肉を求めている。これは買い、である。


付け合わせ用にトマトも買った。


さて…

スーパーの親切で既に表側に切れ込みが入れてあるので生焼けの心配はない。


あらかじめ塩コショウで下味を付けた肉を室温に戻し、熱したフライパンにオリーブ油をたらして、少し強めの火加減で、焼く。


じーう、じうじう。と旨そうな音が鳴る。


フライ返しでちょっと上げてみてきつね色に焼けて来たら、ひっくり返してやや中火にし、アルミホイルで蓋をして完全に火を通すまで、焼く。


楽したっていいじゃない、肉焼くだけで立派なおかず。


皿の端ににキャベツの千切りとトマトのくし切りを乗せて、どでーんと150グラムの豚ステーキ様だあ。はっはっは。


生協で買った丸大豆醤油をたらしてかじる。香ばしく焼けた肉にほどよく馴染む。

味噌、醤油、塩麹。やはり豚と麹製品との相性は最高である。

サラダの味付けをもろみマヨネーズにしたのも正解だった。


それらのおかずが乗った皿とレンチン解凍した雑穀ご飯茶碗一杯を腹に納め、結構幸せな気持ちでこの日記をしたためている時刻。


やっぱり夜七時過ぎ。


日が落ちると元気になる生態の作者なのである。




















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