29缶目 いまの


白い花を見上げる濡れ羽の烏

枯れた紫陽花を養分にして太陽を目指す向日葵

真っ赤な車が通り過ぎた


多様な地球儀が居並ぶ壮観

鳴り止まないチャイム

感傷に干渉する様を観賞していたの


どうしたらいいかわからない


「正常な体温です」

通告される生

どうせならイケボでお願い


ジャケットを脱ぎ捨てた

その程度で曲がらない真面目さ

「どうぞよろしくお願いいたします」


これがいまの


みなもとはどこかに



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