第118話 討伐準備
「くぅ、なぜわらわがこのような扱いを受けねばならぬのじゃ」
「それはお前が敵だからだろ」
タマモの愚痴をノロイが一蹴する。そもそも、今討伐されないだけでもありがたく思ってほしいものだ。ではなぜ今討伐しないかというと、倒した場合に何が起こるか分からないからだ。最悪、この最後の1尾が8尾に吸収され、魔法陣が予定よりも早く起動する可能性があるからだ。それに、一応どれが本体かは分からぬようだが、今現在分身が居る場所は分かるようなので、ひそかに隠れて時間を稼がれるという事はなさそうである
「さあ、きっちりと準備をしましょう」
ミレが改めて全員に促す。我はすでに準備するものは無いが、ノロイ達は遠征のための食糧や道具の準備が必要だし、ライカはマジックアイテムを作ったりする必要がある。また、ミレも改めて杖に慣れるために練習が必要だと言っていた
「それならば、すぐに出発できる我とエリザは先に行くか?」
「えー、私はまだゆっくりしたいー」
準備することなくゴロゴロしていたエリザだったから、行くと言うかと思ったら反対された。こやつは本当に現在の状況を理解しているのだろうか? いや、理解していても自分だけはどうとでもなると高をくくっているのだろう。まあ、実際に何かあったら自分の暇つぶしが無くなるという意味で困るのだろうから、なんだかんだ言って出発の準備を始めたようだ
エリザは背中にふわふわの翼を広げ飛び始めた。妖精モードと違い、初めて見た人は女神か天使だと思うかもしれない。まあ、初めてじゃない人は別だが。それを見て、我も空中に浮く。足の下に空気の層を作り、常に噴出することで推進力を得ている。今の我なら魔法でなくとも、魔力操作だけでこのぐらいのことは出来る。ただし、物理的な力なので地上に近い間は地面が砂ぼこりで大変なことになった
「ゴホッゴホッ、別のところでやってよ!」
「す、すまぬ」
怒られた我は、少し離れた場所から出発する事になった。さて、我が向かう先に8尾本体が居ればよいのだが
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