第119話 北のタマモ
我は北に向かった。我の勘がそこに本体の八尾が居ると告げていたからだ。正直、今回の件についてはノロイ達に八尾と戦わせる気は全くない。チーム分けをしたが、ノロイ達の移動速度と我が本気で魔法を使って移動する速度では天地ほどの差がある
無難に馬車や普通の移動魔法で行っても1,2か月かかる距離なのだ。そこをまともに進んでいてはそもそも魔法陣の機動に間に合わないだろう。だからこそ、我とエリザで2体ずつ仕留めるつもりであった
「そろそろか」
飛び立ってから数時間後、我はすでに北の魔法陣へと近づいていた。そこには王城があり、そこの王座の間に魔法陣が設置してあるはずだ。そして、そこに八尾も居るはずだ
さすがに、「はず」だけで行くわけにもいかないのでソナーで事前に調べると、それらしき者が場内に居た。むしろ、その者以外の気配は全くなかった。もしかすると、生贄にでもされたのだろうか
我は王座に一番近い場所へ魔力弾を撃ち込み穴をあける。どうせ誰も居ないのなら被害を気にする必要もないだろう。どうせ、本気で戦えばこんな城あっさりと崩壊するだろうし
「ふふふ、よくきたなぁ。これが罠と思わなんだか?」
王座にタマモが座っていた。尾の数は8つ。こやつが8尾で確定だ
「ふん。今の我に姑息な罠など通用しようもなかろう」
「そんな事を言えるのも今のうち――」
「サウザンド・シャドウナイフ」
無駄な時間稼ぎに付き合うつもりはない。今の間だけでこ奴が本体では無い事がわかってしまった。だから、さっさと次へ行かなければならぬのだ
八尾の全身に小さな黒い闇のナイフが突き刺さる。あっさりと八尾の体中が穴だらけになる
「――でしょうね?」
にもかかわらず、八尾は口が裂けるほどニヤリとする。そして、足元の魔法陣が輝き、我は転送させられてしまった
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