第115話 行動方針

「さて、これからどうするかだが……」


我たちはライカの研究所に集まっていた。我のボディも無事完成したので、改めて行動指針を決めようという事になった


「それにしても、マオちゃんかわいくなったわね。ちっちゃーい」


エリザがそれに横やりを入れた。我の頭をポンポン叩くので、その手を払いのける。今回は妖精ではなく本体だ


「それでもおぬしよりは大きいわ」


それでも幼女形体のエリザよりは我の方が大きいのだ。しかし、それは今の見た目だけだという事は分かっている


「へぇ。じゃあこれならどうかしら」


エリザはボフンという音と共に、20代後半くらいの妖艶な大人に変身した。分かってはいたが、いらつくものはいらつくのだ


「ちっ」


「マオ、それくらいにしておけ。それじゃあ、意見のあるやつはいるか?」


「はい!」


「ではライカの案を聞こう」


「とりあえず、私に余った魔石を頂戴!」


なんだかんだでミレにはエリザから強力な装備が渡っている。パワーアップしていないアクアやライカもパワーアップが必要だろう。エンカをパワーアップさせるべきかどうかは分からぬが


「そうだな。マオに使う予定だった大きな魔石は結局必要なかったからな。俺も試したいことがあるし、1個か2個ならいいぞ」


「それなら、ライカと私の分ね!」


「任せて!」


魔石を受け取ったライカはさっそく自分の研究室へとこもっていった


「さて、それでは次の目的地を……」


ノロイが進行しようとしたとき、それを遮るものがいた


「何かが近づいてくるわ!」


我も瞬時にエコーで確認する。パワーアップした我のエコーなら数十キロ離れていても余裕で分かる


「高速で飛行物体が近づいているようだ。これだけの速度で魔法を行使できるとなると、よほどのつわものか?」


到着までまだ時間はあるので、外で待つことにした。そして、肉眼で確認できる範囲に来た時


「あいつは、タマモか!」


「おぬしら、わらわの話を……」


「サウザンド・エア・スラッシュ」


今の我ならこのぐらいの魔法を唱えることができる。1000の風の刃がタマモを切り刻む


「ちょっ! 話を……うきゃあぁぁあ」


全身を切り刻まれたタマモは、ポトリと地面に落ちるのだった。さすがというべきなのか、あの一瞬で防御魔法を使ったのかまだ生きているようだった


「ちょっと、何か言っていたわよ?」


「す、すこしくらい話を聞いてあげたらどう?」


ライカとミレがあまりにもひどい有様のタマモに同情したのか、そんな事を言い出した


「とりあえず、拘束だけはしとくか」


普段通りのノロイが、特別製のロープでタマモを縛り上げるのだった

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