山村聡太郎
適合者
2000年2月
「今後のことは、聡太郎様に従うように仰せつかっております」お祖父さんの影武者、否もうチャールズは居ないのだから、協会にとってはこの老人こそ総裁チャールズ・オーガスト・フォードだ。
これからは自分で考え、行動しなくてはならない。判断を誤れば死ぬだけ、僕は本当に死ぬのだろうか?
その時が来くれば判るのだから、思索の労を割く必要はない。
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僕を表す言葉、ナイアーラトテップの御告げ『適合者としてショゴスを呼び出す触媒となる』
『適合者には、触媒となる資格がある、または立場にある』といった意味だろう。
この言葉の真価についてチャールズと数え切れないほど議論を重ねた。他の神託、魔導書、魔術師たちの言語録や回顧録、神秘体験や伝承または逸話による記録も含めて、膨大な資料を精査したが答えには至らなかった。
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答えは見つからなくても、視野は広がり解析度は深化していく。
ショゴスは、上古地球を支配した旧支配者たちが使役したクリーチャーと思われているが、それはショゴスという名詞の一面を表しているに過ぎない。
旧支配者たちの言葉を敢えて日本語に訳せば『ショゴスは奴隷を意味する』
ナイアーラトテップが御告げで示したショゴスは、旧支配者たちが支配したショゴスではない、『外側の神』または『彼方のもの』と呼ばれる超越的存在が従える奴隷、つまりショゴスを指している。
協会の魔術師たちは、外側の神のショゴスと旧支配者のショゴスが並列で語られる時は、後者をテケリリと呼び区別する。
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ショゴスは、テケリリでないショゴスは様々な形態をとって外側の世界から地球に召喚される。
人間が支配できる『彼方のものに奉仕する種族』の中で最も恐ろしい存在のショゴスは、特徴や形状は異なっても共通して物理的な破壊や殺傷ができない。
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