堕ちる(4)
朝日がカーテンの隙間から差し込み自然と目が覚める。
いつもと変わらない平日、のはずだった。
あの日私は彼に別れ話を告げるつもりだった。
理由は他に好きな人が出来てしまったこと。
旅行から帰ってきた日に別れを告げるなんて酷な事だけどこれ以上この関係を続けるのは彼にも好きな人にも失礼な様な気がしたから。
「今日の授賞式、あんたの彼も来るらしいわよ」
「まだ付き合ってもないし、付き合えるかも分かんないのに私の彼じゃないよ」
「まだだってー」
メンバーたちの笑い声を聞きながらも私は緩みそうになる口角を抑えるのに必死だった。
ユンギさん、今日来るんだ。
会うの1ヶ月ぶりくらいだな。
私たちの出番が終わり席に近づくと防弾少年団のメンバー揃って座っていた。
「ヌナ、久しぶり」と小さく手を振るホソクは練習生時代からの仲でよくお酒を飲みに行ったりもした。
そしてその隣にはユンギさん。
一瞬目が合うとお互いまた逸らす。
それだけの事なのに心臓はぎゅっと締め付けられる。
やっぱりかっこいいな。早く二人で話したい。
授賞式が終わり服も着替え終わって帰る準備をしている時だった。
「ヌナっ」
「ホソク、なんでここに」
「ミンジュヒョンが、亡くなったって...」
一瞬で頭が真っ白になった。
「嘘でしょ?何言って」
「ヌナ」
息を切らしたホソクの顔は今までに見たことがないくらい真剣なもので、これが現実なんだと思い知らされる。
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