堕ちる(2)



午後六時。



あなたが後ろ髪引かれるように仕事に行って12時間が経過した。






テーブルに置いてあるお菓子。

赤いパッケージを見てまた彼を思い出した。



きっと、どうやっても愛してしまうんだ。








会いたい、心臓がえぐられそうなくらいに痛い。


一瞬だけでもいいからまた私に笑いかけてよ。









午後11時。


玄関からあなたが帰ってくる音がした。






「おかえり」


「ただいま」





普通そうに見える顔は汗ばんでいて。

焦って帰ってきたのが分かる。



私がいてほっとしたんだよね?




ごめんね、そんな顔させて。

ごめんね、私が弱くて。


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