第5話 契約と代償
黄金の
これまでの事を頭で整理するが、自分ではないと思えるほど思考が
考えがまとまったクレアは立ち上がり、緊張した
「ソロモンさん、お願いします。助けてください」
「まぁ、座って。ひとまず、話だけは聞くよ」
ソロモンはクレアを座るように
レヴィが割り込んで聞きそびれていたが、話を聞こうとは思っていた。
クレアが誰かと一緒に来たことは
小さき娘が一人小舟でこの
昨日の嵐による船の
クレアは、着席してこれまでの
「我がクリスタル王国とマドゥーラ帝国が
ソロモンはあきれて言う。
「
ソロモンの感想に、クレアは続けて話す。
「マドゥーラ帝国は
「助けてくれと言ってたけど、俺は見ての通りスケルトンだし・・・。
「ソロモンさんは、私を助けてくださいました。そう簡単に私がこの島にたどり着けるとは思えません。ソロモンさんが手引きしてくださったとしか・・・。そして、助けられた時、私は寝ていましたが、暖かい魔法で目覚め、食事も出してくれました・・・。私を国王陛下・・・お父様の元へと連れて行って助けてください。お願いします」
「お父さん所へ戻るより、その
「ソロモンさんの魔法ならお父様を助けられる。そう思えるからです。私が公爵様の所へ行くよりも・・・」
「単なるスケルトンの俺に、助けるメリットがあると思えないけど」
右手を胸に添えて、クレアは答える。
「私です。私、クリスタル王国 第一王女 クレア・クリスタルを
ソロモンはあきれたように言う。
「自分が何を言っているのかわかってるのかい。それに、人は食べないけどね」
ソロモンの恐ろしさを知っているレヴィは、口を
「ソロモンと契約じゃと、正気かクレア」
クレアは、一瞬レヴィを見るが、再びソロモンをまっすぐ見る。
「ソロモンさんは、財宝に興味はないでしょう。時間も力もない今の私に渡せるものはこれしかありませんから・・・」
少し間を置き、ソロモンは
「クレア・クリスタル、君の
「ソロモンさんと運命の神ロットに感謝します」
クレアは、右手を胸元へもっていき、上から下へ
ソロモンは、契約するために用紙を出して契約内容を 流れるように書いていく。
魔術言語で書きこまれており、言語を知らない者は読めない。
ソロモンが書いたのは、魔道士が使う高級魔術言語だったので、さらに限られたものしか読めないのだが・・・。
そこには、守秘義務に関する機密保持契約が書かれているだけであった。
秘密が非常に多いスケルトンなので、いろいろな所で拡散されるといろいろと面倒なことになるとの判断である。
ソロモンは、最後に自分の
「俺の名前の下に自分の名前を書いて。契約書の内容は確かめなくていいのかい?」
クレアは、高級魔術言語を読めないが即答する。
「ソロモンさんを信じます」
クレアは
「契約は
「先生・・・わかりました。先生ですね」
クレアは素直に答える。
ソロモンはそれを見て
先生と呼ばせることについて、あの少年と目の前の少女をかぶせてしまい、少し感傷的になり過ぎたかなと思う。
今後は、クレアにはいろいろと教える予定なので、先生で間違いはないのだが・・・。
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