優しい少年の話

ヘイ

優しい少年の話

 図書館で手が届きそうになくて困っている少女がいた。

 俺は台座を持っていき、その少女の直ぐ横に置いて、笑顔でこう告げた。

「これで届くな」

 

 重たい荷物を運んでいる女の子がいた。俺はその子の近くに台車を持って行って、笑いながらに言った。

「これで楽になるだろ?」

 

 学校に行く途中、足を怪我した女の子がいた。

 歩くのが大変そうだったから俺は周りを見回して、近くにあった丈夫そうな木を持って近寄った。

「これで歩けるか?」

 

 俺は困ってる人がいたら助けたくなるんだ。だってほっとけない。でも、皆んなからよく言われるんだ。お前は、なんか違うって。俺にはよくわからないけど。

 

 あ、また、お前、宿題を忘れたのか。

 仕方ないな。

 俺も忘れた事にして、一緒に怒られてやるって。

「ほら、寂しくないだろ?」

「違う、そうじゃないんだよ」

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優しい少年の話 ヘイ @Hei767

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