第6話 道

 カムの背中に乗り、ドスンドスンと進む。

 今からザバサール王国とか言う国の中心に向かうらしいのだが、馬車とかがあればよかったのに……。

「ねぇ、国王に帰る方法とか聞いたらばいばいなの?」

 カムがいきなりそんなことを聞いてくる。

「え、なに。悲しいの? 寂しいの?」

 ドS風みたいな言葉で返すと、カムは頭を落とす。

「ボクね、君が来てから何気ない日々に祝福が起きた気がしたんだ」

「あ……、そう……。そう言われれば私もなのよね」

「え?」

「だって、仕事だらけの日々しかなかったのに、飛ばされて。なんか祝福みたいね?」

 祝福の意味は曖昧だったが、そう笑って見せた。

 カムはグルルと鳴いた。

 王国までの間一緒にいようと決めた。

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