第2話 外典 転生トラック保険
転生希望者(笑)からトラックドライバーを守るためには・・・
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それはとある居酒屋での話
ベテラントラックドライバー
「そういえば、お前、国の転生トラック保険に入ったか?」
新人トラックドライバー
「え?あれ会社が出してくれなくて自分でお金出して入らないといけないんでしょ、それでなおかつ掛け金が高くて入るわけないじゃないですか?」
「悪いことは言わんから入っておけ。」
「いやだって、そんなありえないことに無駄にお金かけれないですよ。だって本当にそんなことが起こってるなら、ドライバーのほとんどが交通刑務所行きですけど、そんなのニュースにも流れないじゃないですか、年金と同じで国が胴元の詐欺ですよ、詐欺!」
「お前何も知らんのだなぁ、年金は俺もよくわからんが、転生トラック保険だけはガチだ!入らないと死ぬぞ」
「だって先輩、先輩だってそんな事故にあったことはないでしょ?」
「俺かぁ、俺は今年3回ほどやられたなぁ」
「え?」
「保険に入ってなければ、俺も刑務所行きだったよ」
「じょ・・・冗談ですよね?」
「いや本当だぞ」
「この間も何もしなくても助かる可能性の高い子猫を助けようとした勇者様(笑)が突っ込んでこられたよ。」
「まじですか?」
「マジもマジ、ドラレコに『転生トラック・・・』 って記録残っててな、全くお前たちはトラック運転手を舞台装置の一種と考えてるのかと殺意湧いたわ、まあこの世界では死んだんだけどな。」
「どうなったんですか?」
「まあこの辺は、保険に入ったら支給される専用ドラレコ様様だな、今回もその言葉の直後にドラレコ内蔵の重力場歪みなんたらセンサーだっけ、異世界転生を感知するセンサーが異常を検知したんで、多分転生されたんじゃないか?」
「ニュースじゃあ聞いたことないですけどそんなこともあるんですね。」
「まあそんなの公にすると大変だからな、あとな、この保険に入ってて相手が真性転生者様だと、慰謝料の支払いだけでなく、保険で見舞金が降りて来るんだよ、おかげでトラックも新車になったよ。」
「そうなんですね、なら入らないといけないのかな?」
「転生トラック保険はそれだけじゃないぞ、専用ドラレコのおかげで外部の状況がちゃんと保存されるんで、真性転生案件以外でも、転生トラック案件と認められれば刑事罰はなし、民事の訴訟も全て国が対処してくれる。まあ自殺案件なので基本民事にはならんらしいがな。」
「それはすごい」
「あとな、いくら自殺者とはいえはねてしまったトラック運転手の心のケアを行うカウンセリングサービスや、休業補償まである。」
「確かにそれなら入らないとまずいですよね。じゃあなんで大々的に宣伝しないんですか?パンフレットも見たことないですし」
「それは、それなら俺もやっていいなってトラックに突っ込むバカを抑止するためだとさ」
「あー保険でカバーされてトラック運転手の人生破壊されないとわかったら無茶するバカが増えそうですよね。」
「んじゃわかったら、明日の朝にでも役所行って申請して保険に入ってこいよ」
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いや実際問題、件数は少ないけど自殺のための飛び出しによる事故の場合
刑事罰が適応されるのはちょっとダメかなと・・・
逃げずに救護義務さえ行えばドラーバーの救済をして欲しいと思う。
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