お互いに想い合いながら、生まれによって結ばれてはならない美彩と隆史。他者には明かせない愛情を胸の内に抱えたまま、ふたりはそれぞれが生涯の伴侶を得ます。このまま新しい幸せを手に入れるのか、それとも題名にある伝説をなぞるのか──。美彩が選んだ結びの「その先」を想像する楽しみの残る物語でした。衣通姫(そとおりひめ)の伝説を調べてみると、味わいがより深くなります。もしよろしければ。