異端者
牧師は大衆に向かって話した。
「異端者とも仲良くしなさい。彼、あるいは彼女は、私たちにきっと良い変化をもたらしてくれるでしょう。私たちの身内だけの知見だけでは限界があります。だからこそ、他人の考えも受け入れるのです。」
大衆はざわめき出した。
「牧師様の言う通りだ!」
「まさにその通りだ!」
「いやぁ、いつも勉強になるなぁ!」
ある日、ある異端者が処刑されることになった。
処刑台から見下ろすと、辺りは見物人で溢れかえっている。
処刑人は異端者に向かって放った。
「処刑される前に、何か言うことはないか?」
異端者は叫んだ。
「いつもこうだ!大衆は異端者を排除せずには生きられない!もし人殺しが同じ集団にいたらどうだ!殺されまいとして、集団から排除するのが世の常だろう!俺は牧師の不正を暴こうとしただけだ!俺がただ真実を述べただけで、なぜ処刑されねばならぬ!それは他でもない!お前らが嘘を信じ続けているからだ!貴様らから見れば俺が異端者なのだ!」
大衆からは怒号が飛び交っている。
「ふざけんな!」
「でたらめなことを言ってんじゃねーぞ!」
処刑人は刀を振り上げ、異端者は目を瞑った。
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