礎たる不満

 生まれ落ちてからいったいどれほどの不満を抱き、その不満を解消して来れたのだろう。自身に訪れた不満は解消されないために存在しているとすら思えるものばかりだ。千に一つ、或いは万に一つ解消できた不満があるのならば、それは幸福と言えよう。

 そう。不満を持つことは悪いことではない。それは満ち足りるための礎。

 しかし、充足をもろとも貫いてしまうほど巨大な不満は、礎足り得ない。

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