紀元後にお出迎え

明日の僕へ

と書かれた日記が机の上にあった。

そのページ数は何万ページにも及ぶもので、読むのにも一苦労だった。

日記を読み進めていくと、その文章から、ぼくが同じ一日を繰り返しているらしいことがわかった。

毎日何があったのかを前の僕たちが書いていっているその文章は、一日一日の内容が事細かに書き記されていた。

そしてちょうど「昨日」の僕が書いたページまで読み終えたあと、顔をあげ窓を見るともう真夜中になっていた。

時計を見れば、あと一時間で今日が終わるようであった。

少し考えて「今」の僕は、


今日は日記を読んでて終わった。


とだけ書いて床についた。


めちゃめちゃ適当に書いたな、こんなんでよかったかな?

と思いながら、次第に意識が夢の世界へとまどろんでいく。

まどろみ、完全に意識が寝てしまう直前、あることにきづいた。

あれだけの日記の文量だ。

読むのだって一苦労だった。

それこそ一日費やした。

だとするなら、それこそ、日記が後半になるにつれ、読む時間が増えるのだから、書く時間は減っていくんじゃないのか?ならばこそ後半の日記の文量は事細かに一日を書くなんて無理なはずだ。


だとするなら、と、するなら。


一体後半の文章を書いたのは誰なんだ?


起きようと思った瞬間には、もうぼくの体は夢に墜ちた。瞬間、耳の近くで


やっと捕まえた


という聞き飽きた声が聞こえて、

世界はそのまま暗幕に浸っていく。


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