第7話
俺たちはコンビニに着くと、ねるは目をキラキラさせながらコンビニの自動ドアを通った。
俺も後に続き通る。ねるはどこにいるかと探したらパン売り場に居た。ねるはパンをじーと眺めている。
「なんか気になるパンでもあったか?」
「うーんこの焼きそばパンとか美味しいそう」
俺は焼きそばパンを代わりに取ってこれでいいかと尋ねた。
「それであってるよ」
すると今度はふわふわ浮きながらアイスコーナに向かった。俺もそのあとをのそのそとついいく。見えるひとがみたら完全にストーカーだな。
「あとアイスを久しぶりに食べてみたいな」
ねるは目を輝かせながら言った。やっぱり久々に色々食べるからわくわくしてるのだろうな。
ねるはうーんと悩んで、雪見だいふくを浮かせた。俺はそれを周りに見られないうちに早く取る。
「あとなんかあるか?」
俺はパンとアイスを片手に持って財布を出した。
「まだ朝だしこれでいいかな。幸希くんは何も買わないの?」
俺は現金を出して、ねるの方を向き
「俺は朝は食べない主義なんだよ」
朝食べるとなんか眠くなるんだよなー、他の人はどうなんだろう、授業中眠くなるんだよな。俺は偉いから数学以外の授業はちゃんと聞くから食べないようにしてる。数学は聞かないのかって良いんだよ。あれは魔術のようなものだから聞かなくて良いんだ。するとねるはめっとした表情をして、
「朝食は健康にいいから食べないとダメだよ」
するとねるはパンコーナーに行って焼きそばパンを浮かせながら持ってきた。おいそれ誰かにみられたらどうするんだよ。ポルタ-ガイスト
だーとか言って店が潰れるぞ。
「ねる、浮かせながら持ってこないでくれ、周りからみたらホラーだからな」
俺はねるのおでこを軽くテコピンした。
ねるは涙目になりながらわかったよぅと言って俺に焼きそばパンを手渡した。俺は仕方なくそれを受け取りレジに並ぶ。
「次のお客様どうぞー」
呼ばれたので俺はレジの前に立ち商品を机の上
に置いてお金を出した。
すると店員は俺にしか聞こえない声で
「あんま幽霊に肩入れしないほうがいいですよ」
そんなの俺だってわかってるわ。好きで一緒にいるわけじゃない。成仏をさせられる人がいるなら成仏させてほしいわ。ていうかこの人見えるのか。
「見えるんですね、それに俺は踏み込んだらしませんよ。めんどくさいし」
ねるは?という感じの顔をしていた。その表情可愛いな。
「そうですか、これおつりですありがとうございましたー」
俺はそれを受け取りふわふわうきながら俺の顔を見ているねるに行くぞと言ってコンビニを出た。
地面歩かないのか?まぁでも地面を歩いたら疲れそうだな。だから歩かないで浮いているのか。
「ねえ、幸希くんなんの話をしてたの?」
「なんも話してはねぇよ、忠告されただけだ」
するとねるは何かを察したのか悲しい表情をして
「私のことかな?やっぱり私のこと邪魔なのかな」
ねるはうるうるした瞳をしながら上目遣いで言った。幽霊なのに思わずときめいちゃったじゃないか。きっと生前は男を手玉にとっていたに違いない。だたでさえ俺がきゅんとしちゃうのだから。
「別に何かしてきたりしないし今は迷惑じゃないぞ。確かに最初はめんどくさいと思ったが」
だけど今は好きなことをやらせてささっと成仏してほしい。あれこれ迷惑がってね?
ねるは俺の心情を読めるわけじゃないなので、よかった-と嬉しそうな笑みをしながら俺を下から覗き込んだ。
だからちょくちょく俺の心臓をドキドキさせるのをやめてくれ。
俺はそんなことを思いながら雲ひとつない青空を見上げた。
俺達はあれから公園でパンを食べることにした。袋から焼きそばパンを取り出しねるに渡した。ちなみに、今は誰もこの公園にはいない。まぁだから来たんだがな。
するとねるはパンを浮かせながら念を送るためにパンを凝視していた。するとペリペリと袋がやふけ焼きそばパンがフワッとねるの方に行った。
すると焼きそばパンの魂的なものを取って食べた。この残った焼きそばパンは俺が食べるのか。魂が抜けた焼きそばパンは味がしないんだよな。でも捨てるのはもったいなし食べるか。
俺は浮いている焼きそばパンを食べた。うへーなんの味もしない。家から持ってきたお茶でながすか。俺は一気にお茶を飲んで喉に流し込んだ。さて、味のする焼きそばパンを食べるか。
俺は袋を破り焼きそばパンを取り出し食べた。やっぱりコンビニのパンはうまいな。日本の文化としてコンビニは最高だ。治安がいいからいつでも空いてるしな。
ねるは食べ終わったのか満足そうな顔をしていた。
すると雪見だいふくを取り出し棒みたいので刺して食べ始めた。
「中のアイスが甘くて美味しい」
どうやら満足いただけたようだ。俺は脱け殻の雪見だいふくを食べた。うん、冷たいだけの無味のアイスだな。
「コンビニっていいよね、安くてこんなに美味しいんだもん」
方コンビニの素晴らしさを知ったか。ならサイゼのコスパの高さも気に入るはずだ。午後はサイゼリアに行くか。
「昼は俺のお気に入りの安い飲食店に行くからな。セフン並みのコスパの良さでいいぞ」
ねるは目を輝かせながら楽しみだなーと言った。まぁねるは入院期間が長いから安舌なんだろう。
「とりあえず家に帰るか。出掛けたいところがあったら言ってくれ財布と相談して判断を下すから」
「うん、わかったよ」
俺達は家に帰ることにした。ふと、横を見ると幽霊がこちらを恨めしそうに見ていたが気づかない不利をして通りすぎた。ねるはどうやら気づいてはないらしく普通に通りすぎた。
あれはかなり厄介な幽霊だ。恐らく彼氏にひどい振られかたをして男を恨んでいるタイプだろう。まぁ俺はねるだけで精一杯なので構ってはられない。そんなことを考えていると家に着いた。
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