第6話

「おはよう」

俺は耳元で冷たい息を吹きかけられ起きた、

俺は起きるとまだ眠たそうな目をねるに向けながら

「ねる、幽霊の自覚あるか?

耳元で話しかけられたら寒いんだが」


ねるはそうだったというような表情を浮かべる。


『天然なのか?幽霊の天然って初めて見たぞ、

だいたい自覚ありであいつら襲ってくるからな。だから俺は幽霊とできるだけ関わりたくない。』


するとねるは俺にふわふわと近づきごめんねと申し訳なさそうに謝った。

俺はわざとじゃないことがわかったんで許して、ねるに着替えるから外にいてくれと言って

ねるを廊下に出し俺は私服に着替えた。

ねるは俺がいい嫌というよりも先に部屋に入ってくる。

「ねる、なんで俺が着替えたと同時に入ってくれたんだ?」

俺は疑問そうな表情で尋ねた。

「私透視できるんだ、あでもシルエットだけだよ」


「幽霊になる前からか?」


「そうだよー、病院で家の人が来るまで漫画を読むというゲームをやっていたんだ。」

その頃を懐かしむように右上を見ながら言った。

「家厳しいんだな、漫画読んじゃダメなんて」


『まあ倉橋家なら当然か、あそこ陰陽師だけじゃなくてビジネスもやっているし。』


「うん、厳しいんだ。小説をよく読めって言われたなー、まぁ好きだからいいんだけど」


「小説かー、俺ライトノベルしか読まないからな。ねるの好きなジャンルの本があるかわからないけど、そこの本棚暇だったら読んでいいぞ」


「へ?ライトノベル初めて聞くジャンルだね」


俺はラノベ読んでるとよく言われることなので別に驚くこともなく淡々とライトノベルについて説明した。

「ライトノベルっていうのは簡単に言えば漫画を文章にしたものだよ、ちょっとストリー傾向は違うが」

俺は立ち上がって本棚の前までゆきおすすめのライトノベルを取ってねるに手渡した。

「それ、俺のおすすめなあ会うか分からないけど、まぁ暇なとき見てくれ」


「ありがとう!、人にオススメされた本読むの憧れてたんだ」

ねるはは本を大事そうに抱きしめた。


『友達いなかったのならからそこは聞かないが、まさか看護師までねるの家を恐れているとわな驚きだわ』


「ハマったらまだ続き本棚にあるから読んでいいからな」

ねるは優しく微笑んだ。

「今日天気晴れるし外にでもいくか」


「いいね、私パフェ食べたい!」


「いや俺1人で行くつもりだったんだが」


「友達と2人で食べ歩きしてみたかったんだー、お願い」


「はぁついてきていいぞ」

俺は仕方ないなという溜息を吐きながら言った。

「やったー、ありがとう」

溢れるような笑顔を浮かべた。

俺はねるの笑顔に見惚れていた。

すると不思議そうにな顔でねるがいつまにか俺の真下に来手覗き込んでいた。

「幸気くんどうしたの?」

俺は慌ててなんでもないということを言って、

心意を読まれてないか心配したが、ねるは心を読んだところ見たことないから心配ないなとほっとした。


俺は外に出ようとするとトントンとドアを叩く音がする。

俺は斎さんだなと思い入っていいですよーというと、綺麗な大正ロマンの着物を着た斎さんが失礼しますと言って入ってきた。

「幸気さん、お昼は何がよろしいでしょうか?」


「あー今日俺外で食べるので大丈夫ですよ、父さんも今日用があるって言っていたので束の間の休暇を楽しんでください」

俺はニッコリとした顔で言った。

斎さんはちょっと残念そうにしながらそうですかと呟く。

「ねるさんと食べに行くんですよね、幸気さんは友達と出かけたことがないので失礼があるかもしれませんがよろしくお願いしますね、ねるさん。」


おい友達いないからって失礼なことはしないんだが、むしろ俺が迷惑を被る可能性があるんだが、ねるのことだし無茶は言わないと思うが

「斎さん俺迷惑かけまさんよ、むしろ面倒ごと押し付けられて俺が迷惑をかけられてますよ」


「面倒ごとなんてひどいよ幸希くん」

ぷかぷかと浮かんで俺の方にやってきて泣いてるフリをしている。

「とりあえずもう行くぞ、斎さん行ってきますね」

斎さんは上品にお辞儀をしていってらしゃいませと言った。

俺は財布だけ持ち玄関で靴を履き、ねるがくるのを待った。

するとワンピースを着たネルがぷかぷかと浮かびながらやってきた。

「ねる着替えられるのか?」

ねるはふわっと一周回りながらうんと言って

どう?可愛いって聞いてきた。

「白装束よりは可愛いぞ」


「それ褒めてんの?」

プクーと頬を膨らませながらねる聞いてきた。

「褒めてるぞ」

実際はいろいろとやばい、思った以上に可愛すぎてはげそうになるくらいだ。

可愛さでハゲるって意味わからないかもしれないがな。

というかやっぱり美少女なんだなと再認識した。幽霊じゃなければ惚れていたかもしれない。だけど俺は可愛いというのは恥ずかしいんでとりあえず白装束よりはマシだと伝えた。


「それよりどこに行く」


「コンビニに行ってみたいな」


俺はそんなんでいいのかと思いながらもねるの境遇を思い出してコンビニの存在が気になるのも仕方ないなと思い


「じゃーまずはコンビニに行こうか」


俺たちは坂を下って駅前のコンビニに向かった。





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