第4話

俺たちは台所に着くとテーブルに並んでいるおかずを見て俺はよだれが垂れそうになった。

テーブルには肉じゃがやその他和食が所狭しと並んでいた。

俺は席につきねるも用意されたささらの前に立った。


おそらくねるは座ることが数分しかできないから、それをさくらさんはそれをよんで皿と箸だけ用意したんだろうな


俺たちはそれぞれ席につくといただきますと言って食べ始めた。

俺はねるの様子をまた食べるのに四苦八苦してる様子だった。

するとさくらさんがねるに箸を使うコツを教えていた。

するとねるは飲み込みが早くすぐに箸を使って料理を皿に取り、料理の魂的なものを箸で掴み食べた。

「ん〜頬がとろけちゃいそうなくらい美味しい」

目をつぶって幸せそうな表情をして、手のひらで頬を触りながら言った。

俺もねるの表情見て食欲が湧いてきて、皿に肉じゃをよそって食べた。


『甘くて美味しいな、さすが千年生きてるだけはあるな。

歳のことを言うと斎さんは起こりそうだから言わないがな』


なる博多を完全に掴んだらしく料理を次から次へとさらによそっては食べた。

大きい皿なのによそったものでいっぱいなっていた。

ねるは満足した表情してごちそうさまでしたと言った。

そもそも幽霊はお腹など空かない、お腹一杯になるのは気持ちの問題なのだ。

俺は残っている料理をご飯と一緒に食べていると、渋い顔をした父さんに話しかけられた。

「幸気あの少女のこと聞いてないぞ、誰なんだ」


『あーそういや父さんに言ってなかったな、この家の主に聞かないと住まわせてもらえるかわからないよな。』


「あーあの女の子の名前はねる、色々あって俺が成仏させることになったんだ。

それで心残りを解消するには一緒に住んだ方がいいと思って連れてきたんだ。

お願いだ、ねるを居候させてくれ」

俺は自分の命がかかっているので手を合わせながら必死にお願いした。

「分かった。一緒に住んでもいいぞ」

父さんは俺の目を捨て猫を拾ったならしっかり面倒見ろよ的な目で言った。


『ふうーよかったわ。もしねると一緒に住めなかったら、成仏に時間がかかる。

時間がかかると俺はあの世に旅立ってしまう。

ねるに生きてればいいことあるよと言われて、

俺は生きることに決めた。まだ彼女も作ってないしな』


「ありがとう父さん、成仏させられるように頑張るよ」

ふとねるの方を見ると安心だ表情で俺のことをちらっと見た。

すぐに父さんの方に向き直り真剣な表情で

「ありがとうございます、幸気くん少しでも青春を送れるように協力します」


『いや何言ってるんだよ、青春は別だろ。

俺は幽霊と青春するつもりないぞ。

もしかして青春してないとこが心残りとかそういう意味か』


すると父さんは珍しく口元に笑みを携えて、

「良かったなな幸気、友達いないのに青春したカッたたんだろ」


「いや友達いないのは修行のせいだろ、放課後全然遊べないし」

俺は批判が的外れの時のように肩を竦めた。

「いや、それは言い訳だぞ。友達なら学校行ってるんだからできるはずだか」

俺は正論を言われ黙り込む。。

ふとねるの方を見ると斎さんに椅子の座り方をレクチャーされていた。


『あー多分ねるが教えて欲しいって言って教えてるんだろうな。ねる好奇心旺盛だし、それよりもおそらく立って食べるのが何となく辛いんだろう。

皿を浮かせなきゃいけないし、立ってる麺類と違って何だか行儀が悪いように感じるしな』


俺はおかずを食べながら頑張れという視線送って、ねるの四苦八苦しながら椅子に座る姿を眺めた。




俺は夜ご飯を食べ終わり、食器を重ねていると

父さんに眉根を寄せながら話しかけられた。

「あっちの部屋話をしよう」

俺は特にすることがないので分かったと言って隣の部屋に入った。

おれは部屋に着くと父さんは開口一番に難しい顔をしながら

「お前、ねるのことを好きにならないよな?」

俺はもっと重要なことを話すと思ったので拍子抜けした。

「好きにならないよ、あくまで成仏の対象なだけだからな」

父さんは庭を眺めながら

「俺はかつて幽霊を好きになったことがあってな、いまだに引きずってるんだ」


『何それ初耳なんだか、父さんが幽霊を好きだったなんで衝撃的すぎて空いた口塞がらないんだか』


「幽霊に恋をしてもな、所詮死んだ人間なんだ。その恋は叶うことはない。

だからお前には苦しんで欲しくないから一応忠告しておいた。」


「大丈夫だよ、俺の好きなタイプと違うし。

幽霊な時点で恋愛対象外だからな」

そう言うと父さんはそうかと呟き部屋を出た。


『俺がねるを好きになるか、確かに生きてと言われたときは心に刺さったが所詮幽霊だし、俺の好きなタイプは優しくて、謙虚で、二次元の雰囲気を纏っていて、どんな時もそばにいてくれるタイプだからな。

まぁ生きてる人間にもそういうタイプの人はいないんだがな。』


俺は背伸びをして自分の部屋に帰ることにした。


部屋に入るとねる疲れたーと言いながら勉強机にの椅子に座っている。


『習得できたのか、でも疲れてるならぷかぷか浮いてる方が疲れないんじゃないか?

あでも斎さんは慣れれば座っている方が楽って言ってたな。やっぱり生きてる時の記憶が関係あるのか』


「座れようになったんだなねる」


「うん、斉さんが優しくレクチャーしてくれてね。お陰で疲れたけど」


「そうか、とりあえず今日どこで寝るんだ?

布団で寝たいなら出すけど」


「横になるのはまだ辛いし、浮きながら寝るから大丈夫だよ」


俺はそうかと言って風呂に入ってくるなと言って部屋を後にした。


俺は風呂に入ると、今日1日のことを振り替える。


『はぁーまさか俺が幽霊を自分の部屋に連れてくる日が来るなんてな。

あのアプリさえ登録しなければこんなことにはならなかったのに。

でもねる可愛いよな、優しいし

まあ生きてる時に出会っていたら喋り掛けられただけで惚れてたかもな。

ねるの心残しってなんだろうか、そういや全然ねるの生きてた頃を知らねーや、聞いてみるか』


俺はそう思いながら身体を洗い終えてなぜだかワクワクした気持ちで出た。










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