第270話 エロい展開
*
「この弁当美味いな……」
井宮が戻って来るまでの間、俺は井宮の部屋で食事をしていた。
久しぶりにコンビニで飯を買ったけど結構美味いな。
女子の部屋で一人という状況を忘れる為に俺は食事に集中する。
「最近のコンビニ弁当のクオリティーって高いらしいしなぁ……てか井宮遅いなぁ……」
女子の買い物と風呂は長いと親父が言っていたけど、確かにその通りだと最近思うようになってきていた。
井宮と居ると大体分かる。
井宮は買い物全般結構長いし、風呂この通り長い。
既に俺は食事を終えてしまいスマホを弄りながら井宮が来るのを待っていた。
いつもなら緊張しないが今日は状況が違う。
「お待たせ。ってもうご飯食べちゃったの?」
「お前が遅いからだろ」
ようやく戻ってきた井宮はかなり露出の多い服装をしていた。
まぁ夏だし、俺の寝巻も半袖短パンだし、別に不思議はないよな?
そうだ、確か英司が言ってたな夏の女子は普段着も部屋着もかなり露出が多いって。
別に動揺して居る訳ではないぞ。
別にパンツが見えそうとか胸が見えそうとかそう言うのを気にしてる訳ではない。
「ねぇ」
「んだよ」
「なんでそんな離れてんのよ」
「問題ない気にするな、それよりログインだ」
「LANケーブル伸びきってるんだけど?」
「無線に切り替えよう」
「良いからもっと近くに来なさいよ」
「それは危険だ」
「何がよ……」
女子がここまで危険な存在だと感じたことはあまり無かった。
俺にとって女子は俺の容姿だけを見て近付いてくる馬鹿という印象が強かった。
だから女子にドキドキなんて少し前の俺はしなかった。
なのになんで俺は井宮にこんなにもドキドキしているのだろうか?
あぁ分かった。
井宮がエロい恰好をしているからいけないんだ。
もっと布を足して貰おう。
このままじゃ俺の息子が男の本能にしたがって起立してしまう。
「井宮、ゲームを始める前に頼みがある」
「何よ?」
「布を足してくれ」
「は?」
「そんな薄着では色々問題がある、もっと布を足してくれコートとか」
「暑いでしょうが、なによ私の寝巻に興奮でもした?」
うーむ、井宮のこのにやけた顔……完全に俺をからかいに来てるなぁ。
このままお茶を濁したら俺が井宮の身体に欲情したと認めてしまう、それはなんか嫌だ。
それに男をあまり舐めない方が良いという事を教える為にもここは男らしく行こう。
「あぁそうだ、正直今色々大変だ。早急に服を着ろ」
「え!? あ、いや……しょ、正直ね……」
「あぁ、パンツとか何回か見えててヤバイ」
「え!? 嘘!!」
井宮はそう言ってルームウェアの短パンを隠すように抑えてジト目で俺を見る。
「エッチ!!」
「いや、だから早くコートを……」
「真夏の夜にそんなもの着れるわけないでしょ!」
「じゃぁなんでも良いから別なのにしてくれ、一応俺も男なんだ」
「わ、私のことそういう目で見るんだ……ふ、ふーん」
「あぁ、女子だしな」
「ま、まぁパンツくらい見られても別に気にならないし……」
「俺が気になるんだよ、良いからなんか履け」
「あ、暑いからいやよ!」
「エアコンの温度下げればいいだろ?」
「電気代掛かるでしょ!」
「今から夜通しネットゲームやろうとしてる奴がそれをいう?」
正直に言ったのに井宮は露出度の高いルームウェアのままだった。
短パンからはチラチラとピンクの下着が見えて正直俺の視線は何度かそちらにいっていた。
しかも俺は床にクッションを強敷いてゲームをしているのに対して、井宮は椅子に座ってデスクトップのパソコンでゲームをしている。
俺の視線は自然と井宮の下半身に向けられる。
「井宮」
「何よ?」
「お前は少し恥じらいを持ってくれ。集中出来ん」
正直俺らしくないとは自分でも思っている。
でもなんでか今日は視線がそっちに行ってしまう。
前ならこんな事なかったのに。
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