第251話 海行くぞ17

 結局俺は半ば無理やり高城と何があったかを部屋の奴らに話した。

 以外にも英司以外の三人は真面目に聞いてくれた。

 英司は白装束姿でどうやって人を呪えるのかを調べていた。


「へぇ~高城とお前って小学生時代は同じクラスだったのか」


「あぁ、当時は高城結構ぽっちゃりしててな」


「意外だな今のあの美少女具合からは想像出来ん」


「しかし、告白の返事はどうするんだ親友? 最近知り合ったばかりだが、僕はあの子結構良いと思うが?」


「………まぁ……そうだな」


 これ以上言うと更に話しが長くなって眠れなくなりそうだしなぁ……それに他にも告られててなんて話しをしたら絶対相手は誰だって話しになるし……。


「正直今はそう言う時じゃないと思ってるんだよ。俺ってほら、結構拗らせた性格してんだろ? 自分でも言うのもなんだけど正直俺って結構ビビりでさぁ……誰かと付き合うって怖いんだよ」


 真面目にこいつらが聞いてくれるから俺まで真面目に答えちまった。

 こいつらにとっては関係ない話しだし、正直当事者じゃねぇから興味もないだろう。

 どうせ直ぐに飽きてまた別の話題に移るだろう。

 なんて事を俺は思っていたのだが……。


「確かに少し拗らせてるかも、なんていうかモテる癖にモテないって言い張ってるとことか」


「モテるくせにそれを意識してないっていうか、てか中学の頃告白とかされなかったのか?」


「こいつ、手紙貰っても不幸の手紙だと思ったり、いたずらだと思ったりしてまともに告白を受けたことねぇんだよ。中学の頃は影でプロポーズ大失敗って呼ばれてた」


「え? マジ? 初耳なんだけど」


 英司の言葉に俺は驚いた。

 てかなんだプロポーズ大失敗って、そもそもプロポーズじゃねぇだろ!


「ヤバイなそれ」


「お前マジか」


「親友それは……」


「え? なんでお前ら引いてるの?」


 おい、なんで引いてるんだよ!

 やめろ!

 そんな顔で俺を見るな!

 なんで俺がなんか痛い奴みたいになってるんだよ!


「お前らに話すんじゃ無かった」


「まぁまぁ待て待て!」


「悪かったよ、少し驚いただけだ」


「だが、親友はもう少し自分に自信を持った方が良いのではないか?」


「そうだぜ? 折角綺麗な顔してんだから」


「自信ねぇ……」


 正直自分の顔には多少は自信がある。

 しかし、顔だけと言われるのが怖いのだ。

 正直自分に自信なんてあまり持っていない。

 成績は悪くはないがそんな奴いっぱい居るし、友人付き合いも苦手だ。

 一人の時間が好きであんまり集団行動は得意ではないし、面白い話しも出来ない。

 

「お前らは良いよな……」


「え?」


「何がだよ、今言われると嫌味にしか聞こえねぇぞ?」


「僕は親友が羨ましいけど」


「最上、俺のどこが羨ましいんだよ。俺なんて一歩間違ったらゲーム好きのボッチゲーマーだったんだぞ?」


「そうかな? 僕は親友を尊敬しているけど?」


 こいつ馬鹿か?

 今の話しのどこに俺を尊敬する箇所があったんだよ。

 そんな事を考えていると最上は真面目な顔で話しだす。


「自分が意識しなくても周りに人が集まる。親友は多分そう言う人間なんだ、それはきっと親友に魅力があるからなんだよ。それはきっと親友の魅力なんだ、僕にはそんな魅力がないからなんだか羨ましくてね」


「おい最上一体誰の話しをしている?」


「親友の話しだけど?」


「眼科行ってこい」


「なぜ!?」


 こいつの目には俺がどんだけ過大評価されて写ってるんだよ。

 別に俺はそんな人間じゃない。

 自分勝手に生きて、他人とは極力関わらないようにして生きてきたただのボッチだ。


「でも、最上のいう事は結構わかるぜ」


「はぁ? 八代お前まで何を……」


 八代まで馬鹿なことを言い出したな。


「いや、宿泊研修の頃から俺も思ってた。なんかお前と一緒だと飽きないんだよな」


 いかん、こいつら集団で幻覚を見ている。

 一体ゲームセンターで何があったんだ?


「なるほど、ひとりかくれんぼなるもので幽霊を呼び出せるのか!!」


 英司は……放っておこう。

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