第246話 海行くぞ12
しかし、確かに注意は必要かもしれない。
うちの女子は結構うるさいからな……。
招待して貰ってる訳だし、ホテルに迷惑掛けないように注意は必要かもしれない。
「仕方ない、さっさと行くぞ」
「おぉ! そう来なくっちゃな!」
「変な事したら直ぐに通報な」
「流石の俺もクラスメイトにそんな事はしねーよ」
そんな目を血走らせながら息を荒くして言われても……。
俺は英司と共に女子の部屋を回り始めた。
フロアに行った瞬間に聞こえてくる女子の声……こりゃあ男子よりもうるさいな。
まぁ、この階にはうちの女子以外に人は居ないし、大丈夫だと思うけど……。
部屋の横にあるインターホンを鳴らし女子にあまり騒がないように言っていく。
「あ、前橋君。どうしたの?」
「あぁ、大丈夫だと思うけどあんまり騒ぐなんて言いに来た、一応他の客も下の階にいるからさ」
「あ、そう言う事? オッケー!」
「じゃ、それだけだから」
「えぇ~それだけ? 良かったら部屋入ってかない?」
「俺は良いけど、英司も一緒だが大丈夫か?」
そう言って後ろの英司を指さすと女子の顔は引きつり始めた。
「あ、あぁ……わ、分かった。じゃぁおやすみぃ……」
そのまま静かにドアを締めた。
「うーむ、なんで急に態度を変えたんだ?」
「お前が血走った目で部屋の中を凝視してたからだよ」
「え?」
なんでこいつは気が付いてないんだか……。
その後も俺と英司は女子の部屋に行き注意を促した。
そして最後の部屋に来た。
この部屋は井宮と高城が居る部屋だ。
さっさと部屋に戻ってゲームでもしよう。
そんな事を考えながらインターホンを鳴らす、すると直ぐに井宮が部屋から出てきた。
「ん? どうしたのよ?」
「ちょっと注意にな、他に客も居るんだからあんまりうるさくするなって話を各部屋にして回ってたんだよ」
「なるほど……でも一緒に行く相手は選んだ方が良いわよ? 後ろの笹原の目が怖いわ」
「あぁ、知ってる」
「え? なんか言った?」
男ってのは嫌なもんだな、下心が表情に出る事が多い。
しかも英司……というかうちのクラスの男子は分かりやすいからな。
「まぁ、それだけだ、早めに寝ろよ」
「なんかアンタ先生みたいね」
「うっせぇ」
そんな話をしていると、奥から高城さんがやって来た。
「あ、圭司君。どうしたの?」
「見回りだってさ、先生居ないから先生代わりしてるみたい」
「幹事さんは大変だね」
「まぁな」
「あ、そうだ圭司君……後で時間ある?」
「え? あぁ、まぁ……あるけど?」
「じゃぁ、後で電話するから少し付き合ってくれる?」
「お、おう?」
高城にそう言われた後、俺と英司は直ぐに部屋を後にし一階上の自分の部屋に戻っていた。
「くそっ! 女子部屋の中を見れると思ったのに!!」
「残念だったな、まぁ邪な事を考えてないでさっさと寝ろってことだよ」
「って言ってもまだ夜の8時だぞ! 眠れるわけねぇだろ!」
「じゃぁ、屋上の大浴場にでも行くか?」
「風呂か……でもシャワー浴びちまったからなぁ~」
「デカい風呂も気持ちいだろ?」
俺達がそんな話をしている横で八代と九条は日課の筋トレをしていてる。
なんだか二人の回りだけ気温が高い気がする。
「くっ! 99……100!! はぁ……はぁ……」
「八代、中々やるな」
「へへ、腕立ては毎日やってるからな」
「こんな所に来てまでトレーニングって……お前らマジで脳筋なのな」
見ていた俺が二人にそう言うと、二人は「お前もどうだ?」と誘って来たが丁重に断った。
エアコンの設定温度下げておこ……。
「なぁ、暇だしホテルの中のゲーセン行かね? 24時間営業だってよ」
「お、良いな! 格ゲーしに行こうぜ!」
「暇つぶしになるかもしれないな」
「ここのゲーセンは凄いぞ、全て最新の機種が揃っている」
英司の提案に八代と九条、そして最上は乗り気だった。
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