第239話 海行くぞ05

「ねぇねぇ、君どこから来たの?」


「高校生? 可愛い~ねぇ~」


「私達と遊ばない?」


 こう言う奴らも出てくるから海はやっぱり嫌いだ。

 話し掛けてきたのはビキニ姿の女子大生。

 全く、クラスメイトの男子が多く居る海岸でこんな事をしないで欲しいものだ……。


「お姉さんすいません、一緒には遊べません」


「えぇ~なんで?」


「もしかして彼女が居るとかぁ? 君カッコいいもんねぇ~」


「いえ、恐らくもう少ししたら奴らが来るので……」


「「「え?」」」


 そんな事を話していたらきたようだ。

 うちのクラスの嫉妬に来るった男子たちが……。


「おいおい、何してるんだよぉ~前橋ぃ~」


「まさかと思うけど逆ナンなんてウラヤマけしからんことをされていたんじゃなかろうなぁ?」


「あっちに言って俺達と素潜りしようぜ、どっちが死ぬまで潜ってられるかの……」


「そう言う訳ですお姉さん方、助けてくだ……」


 言い終わる前に俺はクラスの男達に連行された。

 あぁ、こりゃぁ死ぬな……。


「い、今時の高校生って大変なのね……」


「わ…悪いことしたかしら?」



「お前ら、幹事にこの扱いは酷くね?」


 俺は今、クラスの男子達によって砂浜に首から上以外の全身を埋められている。


「うるせぇんだよ! お前ばっかり逆ナンされやがって!」


「俺達だってぼいんのお姉さんにナンパされてぇよ!!」


 なんてアホらしい理由だよ……。

 

「てか、お前らはクラスの女子の水着をさっきからガン見してただろ?」


「あぁ、そうなんだが……」


「見すぎて女子から引かれてしまって」


「警戒されていてな」


 どんだけ見てたんだよ……。

 まぁ、こいつらならそうなってもおかしくないか。


「なんの為に海きたんだよ全く……」


「そんなの決まってる!」


「女子と甘い一時の夏を過ごすためだ!」


「なのに女子に相手にされない……」


「「「「一体何が悪いんだ?」」」」


「お前らがモテない理由が良くわかるよ」


 そりゃあ男からじろじろ見られれば不快に思う女子だっているだろうよ。

 はぁ、やっぱり部屋でゲームしてれば良かったなぁ……。


「という訳で頼む!」


「前橋! 女子と男子の仲を取り持ってくれ!」


「何がという訳でだよ、こっちは頭以外身体埋められてんだぞ? 引き受けるわけが……」


「そうか、仕方ない」


「まさかこの砂浜に死体を埋める事になるなんて……」


「ホテルの開業前なのにな……」


「やらせていただきます」


 こいつら最初から俺に脅しを掛けるつもりで埋めやがったな……。

 はぁ……でも女子と男子が上手くいけば俺も部屋に戻れるかもしれないな。

 しかし、女子との仲を取り持つと言っても俺が仲良い女子なんて……。


「井宮」


「ん? 何よ? てかなんで砂だらけなの?」


 こいつくらいしかいないんだよなぁ……。

 さっき胸を揉んでしまったからか、視線が自然と胸に行ってしまう。

 こいつ、服の上からだとよくわからないけど、結構デカいな。


「ちょっ! ど、どこ見てるのよ! スケベ!!」


「すまん、以外にデカいなと」


「言わんでいい!! そ、それで何よ……」


「実は女子と男子を仲良くさせないと俺は砂浜に埋められてしまって、ホテルが開業前に閉店の聞きなんだ」


「全然内容がわからないんだけど……」


 仕方ないから順を追ってしっかり話した。


「なるほどね、まぁでも男子も悪いのよ? ずっと女子の水着ばっかり見て」


「お前ら女子も俺をガン見してませんでした?」


「わ、私はそこまで見てないわよ!!」


「てか、水着なんだからそれはしかないんじゃないか? 女子が下着見たいな恰好で歩き回ってんだ、健全な男子だったら目がいくのは当たり前だ」


「下着と一緒にしないでよ!」


 同じようなものだろう。

 てか正直何が違うのかよくわからん。


「じゃぁ、男子と女子で別れて何かする?」


「それは良いな、男子には俺から言っておこう、女子にはおまえの方から頼む」


「はいはい」

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