第214話 夏休み始まります!
*
夏休み、それは学生が一か月も休むことが出来る長期の休みのことである。
インドアの俺に取って夏休みは最高だ。
一日中ゲームをすることも漫画を読むことも出来る。
まさに最高の一時だ。
「はぁ~夏休み最高……」
今日は夏休み初日。
俺は昨日の夜から井宮と共にオンラインゲームをしまくっていた。
「さて、眠くなってきたしそろそろ寝るか」
朝までゲームをしてもそのあと眠ることが出来る。
なんて最高なんだろう。
さて、学校に行く必要もないし、涼しいこの部屋で俺は眠りに入りますか……。
ピンポーン!
ん?
誰だ?
こんな朝早くに……って言っても朝の9時か。
きっと姉貴は出るだろう。
それにどうせ宗教の勧誘とかセールスだろうし。
なんてことを考えながら俺はベッドから動かなかった。
「あ、そういえば姉貴は今日朝から撮影か……」
まぁ、良いか。
狸寝入りを決め込もう。
知り合いだったら来る前にスマホに連絡くらいするだろうし。
そんなことを考えているとスマホの通知音が鳴った。
「ん?」
俺はスマホに手を伸ばし通知を確認する。
どうやら川宮さんかららしい。
そういえば最近テストとか井宮のこととかいろいろ忙しくて全然連絡取ってなかったな。
俺はアプリを開いてメッセージを確認する。
【おはよう、今日は家に居るのかな? ドア開けて欲しいなぁ~】
なるほど、さっきのピンポンは川宮さんか。
でも、今からあの人の相手をするのもなぁ~。
眠いしなぁ~。
それに来るなんて聞いてないし。
申し訳ないが寝ていたことにして、川宮さんにはお帰りいただこう。
ピンポーン
考えている間にまたしてもインターホンが鳴った。
そして通知も来た。
【ねぇ無視? お姉さん泣いちゃうよ?】
すいませんね。
俺も眠いんですよ。
俺はスマホを置いて、ベッドに潜った。
ピンポンピンポンピンポン!!
めっちゃ鳴らすじゃん。
ご近所迷惑だからやめて欲しいな。
なんてことを考えていたら、スマホにすさまじい数のメッセージが送られてきた。
【居るんだよね?】
【なんで無視するの?】
【熱いから入れて欲しいなぁ~】
【おい開けろよ】
「うわぁ……」
怖いなぁ……でも今更開けるのもなんかあれだし、それに俺眠いし……。
そんなことを考えて居るとまたしてもメッセージが送られてきた。
【さっさと開けろ】
「この人こんなキャラだっけ?」
まぁ、これ以上やられても迷惑だしな。
俺はベッドから起きて玄関に向かった。
「あ、やっと開けてくれた!」
「なんですか? 川宮さん……」
そこにはテレビや雑誌で大活躍しているアイドル宮河真奈の姿があった。
本名は川宮真奈。
俺が所属する事務所の先輩でもある。
「こんな朝からなんですか? 俺今から寝るところなんですけど」
「今起きたじゃなくて?」
「まぁ、細かいことは良いじゃないっすか」
眠い目をこすりながら俺は川宮さんリビングに通す。
「それでなんですか?」
「もう圭司君ったら酷いなぁ~私のことずっとほったらかしにしてた癖に! 寂しかったんだからね!」
「俺は寂しくないです」
「だから、貴重なオフを使って会いに来てあげたんだよ!」
「そうですか、じゃぁ会ったので帰ってください」
「なんか冷たくない? 私事務所の先輩でもあり、年齢的にも先輩なんだけど」
「まぁ、川宮さんなんで」
「どういう意味!?」
「じゃぁ、そろそろ寝たいんでお茶飲んだら帰ってください」
「人気アイドルが貴重なオフの日に会いに来たのに!?」
「自分で人気アイドルって言わんでください」
朝からこの人は元気だなぁ……。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます